魔女の正体のヒント3*2 ページ16
*
放課後は部活動をする時間。
1日の授業が終わったら生徒は部室へ直行する。
そして活動を始める。
その証に、校庭からの応援の声。
ティーカップのカチャリとした音。
ティーカップの音をたてたのは、学院の暗闇の魔王.
零だ。
零は軽音部の部室のソファからゆっくりと立ち上がると、辺りを見回し本棚を見つめた。
「昔アイドル科にいた女生徒、」
魔女はアイドル科にいた女の生徒。
謎は深まるばかりである。
零は本棚の端に挟んであった書類を手に取ると私が座っているソファへ足を向けた。
「ほら、ここに書いておるぞ。」
零は私に書類を手渡すと、ソファに座った。
…………
×× ××× (17) 女 …退学
…………
確かに、書いてあった。
個人情報のため退学した後は名前は綺麗に消されてあるのだが。
「新しい手掛かりが見つかったかえ?」
…新しい手掛かり。
ただこの書類で分かったのは昔アイドル科に女生徒がいた証拠が見つかっただけだ。
「過去にアイドル科に女生徒がいた証拠だけ、かな。」
"他に報酬はない。"
私が零に向かってそう言うと、
零は少しの間ポカンとした後急に笑い出した。
クックックッ。
零独特の笑い方。笑い声。
どうして笑うのか分からなくなって私が首を捻ると零は口を開いた。
「魔女の年齢…じゃないのかえ?」
赤く透きとおる目が細められた瞬間私はピンと来た。
年齢。
書類には魔女の名前と性別。
そして、年齢。
書類には魔女は17歳と書いてある。
この書類が書かれたのは去年になるため魔女の年齢は
「私達と、同い年…?」
零は納得したように笑って首をゆっくりと縦に振る。
…真緒に伝えよう。
魔女は過去にアイドル科の生徒であり私と同い年であることを。
だがその、真緒に伝えようと思ったことが次の瞬間全てが水の泡になった。
零が帰り際に言った。
「魔女をお主と一緒に探している衣更君は裏切り者じゃ。」
…最初は何を言っているのか分からなかった。
頼むから
冗談を言わないでくれ。
私は乾いた笑いで気持ちを誤魔化した。
真緒が裏切るなんてある訳がないじゃあないか。
真緒は魔女探しに協力してくれた。
なのに、なんで。
何故。
「衣更くんは魔女の正体を知っておるぞ。」
今まで黙って立っていたひなたがクスリと笑った音がする。
その笑い声で私は全てを察した。
…ひなたが私を軽音部に誘い込んだのは全て計画なんだ。
…
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moeka(プロフ) - 続きの更新がなくて寂しいです。更新してくれたら嬉しく思います。楽しみに待ってます。 (2021年10月2日 10時) (レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
Nanami(プロフ) - とても面白かったです!更新待ってます。 (2017年12月1日 21時) (レス) id: 78d4acc492 (このIDを非表示/違反報告)
鶴夜(プロフ) - こんな作品かけるなんてうらやま…もってもいい作品です!更新頑張ってください!応援しています!あ、Twitterフォロー失礼します! (2017年10月18日 21時) (レス) id: 4779c44224 (このIDを非表示/違反報告)
ぽんずあめ(プロフ) - 紅 梅さん» コメントありがとうございます!試聴最高でしたよね!!私は個人的にナイトキラーズの歌がドストライク過ぎて…聞いた瞬間心の中でずっと叫んでました(笑)Knightsの歌い出し、とてもカッコよかったですよね〜!同感です**お話出来てとても嬉しいです!!** (2017年7月21日 20時) (レス) id: 5610f7d23b (このIDを非表示/違反報告)
ぽんずあめ(プロフ) - 悪魔さん» わ〜!2winkPさん!!私は2winkに一目惚れしてあんスタ始めたので…同じような方がいてとても嬉しいです**夢ノ咲箱推しでもありますけどやっぱり2winkですよね(笑)コメントありがとうございました!お話出来てとても楽しかったです!! (2017年7月21日 20時) (レス) id: 5610f7d23b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽんずあめ | 作成日時:2017年2月19日 22時