49話 ページ5
「じゃあ、まず着付けしちゃおうかね」
「お願いします」
潜入ってことで、私は遊女になることにした。遊女になることが何よりも自然に近づくことが出来て、自由に動き回ることが出来るからだ。
月詠と日輪さんによって着物が重ねられていく。1枚着る度に重くなる。遊女はこんな重いものを着て過ごしていると考えると少しすごいと思った。
「あとは軽く化粧しちゃおうかね」
着付けが終わると今度は化粧に移る。普段化粧をすることも機会もないから、少し緊張した。
「Aちゃん肌が綺麗だから、化粧のやりがいがたあるね」
「そんなこと初め言われましたよ?」
化粧により、少しずつ自分の顔じゃなくなるのを見ると違和感を覚える。完成する頃にはもう、自分じゃないような気がした。
「うん、綺麗」
「そこらの遊女より人気になるかもしれないな。」
「月詠、それ遊女さんたちに失礼だよ。」
遊女の姿に成り代わった私を見て月詠と日輪さんが盛り上がっているのが、すごく私には恥ずかしい…。
ジーッと私を見つめていた月詠がなにか急に思い出したように言った。
「A、お前がここにいることを知っているのは誰じゃ」
「まずは、真選組の幹部さんたちと、ここにいるとははっきりいってないけど少しの間家を留守にすることはお妙と新八が知ってるかな…」
「…銀時は知らぬのか?」
「…言う必要ないからね」
言ったところで止められる訳でもないだろうし、止められたところで真選組と約束をしたのだからそれを破るつもりは無い。
「本当によかったのか…?」
「いいよ、だって銀時に私は関係ないでしょ??」
まるで私の気持ちを見透かしたように不安そうな目で見つめる月詠。月詠も銀時を好いているはずなのに、私なんかの心配をしている。
その優しさを素直に受け取れない弱さを申し訳なく思う。
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銀羅(プロフ) - 凛さん» 長い間、お待たせしました!何回も読んでくださり本当ありがとうございます!なに書こうか、考えがだんだんまとまり出した感じがしてるので、また頑張ります! (2020年11月20日 17時) (レス) id: a7867cf727 (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - 更新凄く嬉しいです。何度も何度も読み返してはずっとお待ちしておりました。先の展開とか、行き詰まるとやる気なくしますよね。けどこれからも更新お待ちしております、頑張ってください! (2020年11月20日 0時) (レス) id: 0f5c65d312 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい - 頑張ってください!続き読みたいです! (2020年3月26日 1時) (レス) id: e1da7af444 (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - とっても続きが気になります!更新頑張ってください! (2019年11月9日 21時) (レス) id: 8be7be3569 (このIDを非表示/違反報告)
銀羅(プロフ) - トマトさん» ありがとうございます!!更新頻度は遅くなると思いますがよろしくお願いします!! (2019年10月15日 0時) (レス) id: d2e8927ad9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:銀羅 x他1人 | 作成日時:2018年9月22日 21時