53話 ページ10
｢…ぃ、ぉぃ、ぉい、おい！！！A！！｣
｢…っん？｣
体を揺すり、大きな声で私の名前を呼ぶ月詠の声で目が覚めた。
｢A！！！…お主！！その格好は…！？｣
｢…え？｣
なにか慌てたような月詠の態度と、腰への激痛と自分の格好に血の気が引いた。
記憶も意識もなかった頃のものだが、自分の姿と痛みが物語っていた。
｢…う…そ｣
私はあの後あの男達に抱かれてしまったのだろうか…。起きてからの急な出来事に頭が上手く回転しなくて、実感も何もわかない。
ただ、恐怖と寒気が私を襲う。
｢お主の追っていた客が帰っても、お主が姿を見せないから何事かと思ってみたら…。一体なにがあったのじゃ！！！｣
｢…わからない。なにも、わからない…｣
薬を使わされ、今起きるまで一体何があったのか嫌なくらいに分かってしまうが、なんと言葉にしたらいいのかもわからず、言葉に出してしまえば自分がそれが本当に起きたことであったと認めてしまうようで嫌だった。
｢…抱かれたのか｣
｢っ！！！｣
吉原にいる月詠がそう言うのだ。やはり、それが現実なのだ。
わかった瞬間、気持ち悪さと涙が止まらない。
以前未遂で終わったものが、今度はそうといかなかった。銀時という助けが今回はなかったから。あの時の恐怖や気持ち悪さは比にならない。
消えてしまいたい。
そう思えるほどの辛さが私の中を埋め尽くす。
ここには、あの時の恐怖を拭ってくれた銀時はいない。優しく抱きしめ返してくれた人はいない。
それだけじゃない。私は汚されてしまった。自分が仕掛けた罠に自分で引っかかりこんな羽目にあっている。なんて、アホらしく愚かなのだろうか…。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 473人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
銀羅(プロフ) - 凛さん» 長い間、お待たせしました！何回も読んでくださり本当ありがとうございます！なに書こうか、考えがだんだんまとまり出した感じがしてるので、また頑張ります！ (2020年11月20日 17時) (
レス) id: a7867cf727 (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - 更新凄く嬉しいです。何度も何度も読み返してはずっとお待ちしておりました。先の展開とか、行き詰まるとやる気なくしますよね。けどこれからも更新お待ちしております、頑張ってください！ (2020年11月20日 0時) (レス) id: 0f5c65d312 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい - 頑張ってください！続き読みたいです！ (2020年3月26日 1時) (レス) id: e1da7af444 (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - とっても続きが気になります！更新頑張ってください！ (2019年11月9日 21時) (レス) id: 8be7be3569 (このIDを非表示/違反報告)
銀羅(プロフ) - トマトさん» ありがとうございます！！更新頻度は遅くなると思いますがよろしくお願いします！！ (2019年10月15日 0時) (レス) id: d2e8927ad9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：銀羅 x他1人 | 作成日時：2018年9月22日 21時
