52話 ページ9
だいぶ酔っ払って呂律も回らなくなった。そろそろ仕掛けてもいい時が来たようだ…。
｢旦那方はなんの仕事をしてるでありんすか？｣
｢俺ァ攘夷志士だ。こっちの方は春雨っつー所の偉い方だ。｣
｢攘夷志士様と春雨の御方が吉原に来てくださるなんて光栄でありんす。ちなみに今日は何用で？｣
自然な流れで聞けただろうか…。まぁ、酔っ払いだから少し不自然でも頭が回っていないから簡単に答えてくれそうな感じがする。
｢今日は半分仕事、半分は酒飲みに来ただけだ｣
｢そういえば、攘夷志士様ってどんな仕事を？｣
｢俺らは直接幕府に楯突くってよりはジワジワと色々やってくんだよ。｣
…重要そうな発言がありそうだ。ジワジワとは薬で人を侵していくことだろうか…。
｢どういうことでありんすか？｣
｢要するにな、薬だよ。俺らはなその取引を行ってんのさ｣
…言った！！この情報を持ち帰れば真選組は動き出せる！！
これだけでも十分だったが、私は他のことも聞き出そうと欲を出してしまった。
…しかし、これが後に自分を苦しめることになる。
｢その薬はどんな薬でありんすか？｣
｢どんな薬かって…？そこらに出回っている薬より何倍も快楽や快感を感じられるもんでね。｣
聞いていたとおりだった。そんなものを春雨と手を組み取引をしていたとは…。まだそれほどの被害が出る前で良かった。
｢ただね、初めて使う時はあまりの薬の強さにしばらが意識が飛ぶのさ。｣
｢…意識が？？｣
真選組も知らない事実を手に入れたようだ…。自然と自分が震えあがる。どうにかしてもこの情報を届けなければ…という緊張なのだろうか。
｢…それはすごい薬でありんすね｣
｢ククッ…だろ？？｣
愉快そうに笑う羽山にお筝を弾くのをやめ、酌をする。
(…そうやって笑ってられるのも今だけだ)
私が真選組に情報を渡せられれば、こいつは捕まる。早いとここいつらを帰し、私も真選組へ急ぎたい。
そう思っていると、羽山がふと思いついたような表情をした。
｢華乃、お前も使ってみるか？この薬…。｣
｢…え？｣
注射器のようなものを取り出し、ニヤッと笑う羽山の顔。それを最後に私の意識は深い闇へと落ちていった。
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銀羅(プロフ) - 凛さん» 長い間、お待たせしました！何回も読んでくださり本当ありがとうございます！なに書こうか、考えがだんだんまとまり出した感じがしてるので、また頑張ります！ (2020年11月20日 17時) (
レス) id: a7867cf727 (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - 更新凄く嬉しいです。何度も何度も読み返してはずっとお待ちしておりました。先の展開とか、行き詰まるとやる気なくしますよね。けどこれからも更新お待ちしております、頑張ってください！ (2020年11月20日 0時) (レス) id: 0f5c65d312 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい - 頑張ってください！続き読みたいです！ (2020年3月26日 1時) (レス) id: e1da7af444 (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - とっても続きが気になります！更新頑張ってください！ (2019年11月9日 21時) (レス) id: 8be7be3569 (このIDを非表示/違反報告)
銀羅(プロフ) - トマトさん» ありがとうございます！！更新頻度は遅くなると思いますがよろしくお願いします！！ (2019年10月15日 0時) (レス) id: d2e8927ad9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：銀羅 x他1人 | 作成日時：2018年9月22日 21時
