#16 ※微 ページ17
(Aside)
頬に感じる冷たく硬い感触に私は意識を取り戻した。
「おっ、ねーちゃんおはよーっ」
私を覗き込む3人の20代くらいの男性。
誰も来ないような薄暗い路地裏。
一瞬で理解した。
二宮A、人生初拉致られました。
最悪…。
「ねーちゃん大丈夫〜?笑 あ、心配しないで、俺ら何もしてないから。まだ」
「寝てる人襲うほどクズじゃないからさ、俺ら」
あー…一生眠ってればよかった。
「まぁおねーさんも起きたっつーことで始めよっか笑」
『やめてくださっ…!?』
立ち上がろうとすると体に力が入らず私は膝から崩れ落ちた。
…え?何で?
「うわぁ…効き目やば笑」
「ねーちゃん悪ぃな笑 ちょっと吸わせすぎたわ」
吸わせすぎた…?
何を…?
「まぁまぁまぁ、大人しくしてないとおねーさんの顔とか体に傷できちゃうよ?」
1人の男性が私を仰向けに倒し、その上に馬乗りになる。
『嫌だ…やめて…!』
「こーら、暴れんなよ」
周りで見ていた男性2人が私の腕を押さえつける。
すると私に馬乗りになっていた男性は私の制服のボタンを外し始めた。
っ…もうやだ…。
「やっぱ思った通りだ。おねーさん体綺麗だね〜」
そんな事言われても嬉しくない。
幸…は、ダメだ。絶対来ない。
…なら、
『孝っ…!』
「孝…?誰それ彼氏?呼んだとしても来ないから期待するだけ無駄無駄〜」
やっぱ私が助かる術はないのか…。
「おねーさん何か余裕そうだね、ムカつく〜」
『っ!?』
そう言うと男性は私の首筋に吸い付いてきた。
気持ち悪い気持ち悪い…きもちわるい…。
私の目から自然と涙が出てきた。
「あ、泣き顔のおねーさんもかわいーね〜」
『孝ぁっ…!助けてっ!』
すると急にパトカーのサイレン音が聞こえてきた。
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作者名:RIN | 作成日時:2020年10月11日 23時