#15 ページ16
(笠松side)
くそ……
俺は何やってんだよ…。
あの日からAのことを妙に意識しちまって普通に接することが出来ねぇ。
俺は女か。
今日もAに会わない時間を狙ってコンビニへ向かって歩いていた。
すると前から見知った姿。
森「!笠松っ!!」
『森山…。どうしたんだ?』
森山はハードな運動でもしたかのように息が切れていた。
森「焦らずに聞いてくれ…。Aが攫われた」
『…は?』
Aが攫われた…?
何だその話。
『攫われたって…誰にだよ』
森「それが、分からないんだ…」
『何であいつのこと見てなかったんだよ!お前がちゃんと見てたらあいつがいなくなることもなかったじゃねぇか!!』
森「それは本当に悪かったと思ってる…でも笠松が言えることじゃないだろ!」
『っ!!』
森「いつまでもAのこと避けんな女々しいんだよ!笠松らしくない!!」
女々しい…俺が…。
森「本当は気づいてるんだろ?Aがどれだけツラい思いしてるか…。詳しいことは知らない。でもAを見ててわかる。悪いのは100パー笠松だ」
『…まさかお前にこんなこと言われるなんてな。…悪い。』
森「謝るのは俺じゃない」
『わかってる。…ありがとな』
森「…見つかったら連絡。絶対な」
『おぅ』
俺はそう言って森山の横を走って通り過ぎる。
今まで悪かった…A。
待ってろ。
すぐ助けに行くから。
5人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:RIN | 作成日時:2020年10月11日 23時