#11 ページ12
『…あ、着いた』
…何この20分くらいなのに1時間くらいたった気持ち。
まだドキドキしてるって。
『じゃあね、幸。…送ってくれてありがと』
私は繋いでいた手を離し、幸に背中を向けた。
すると幸は私の腕を掴んだ。
笠「そのままっ、こっち見ずに聞いてくれ…」
幸の声は少し震えている。
腕を掴む力も強い。
『なに、?』
笠「……す、す…すき、だ…!」
『っ!?』
え、今なんて…すき?
すき、って言った…?
笠「返事は、また後でいいから…じゃあな」
『ちょっと待っ…!』
私が振り向いた時には幸はもういなくて、幸の家の方向を見ると走って帰っている幸の姿が見えた。
『返事なんて…もう決まってるのに』
幸に掴まれた腕が熱い。
まだ感触が残っているのを感じると夢じゃないんだな、って思える。
私は家に入った。
『…ふふふ』
お風呂に入っていてもニヤけが止まらない。
『両思いか…ぅあーっ!』
あの時の幸の顔見たかったなぁ…。
返事は明日しよう。
そう考えながら私はベッドで眠った。
本当に大変なのはここからだということも知らずに__。
5人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:RIN | 作成日時:2020年10月11日 23時