第六章 ページ39
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「…っ、わたし、私はなにか…高杉先輩を傷つけるようなことを…。」
彼の足元を見ながら、そっと声を出した。
私の声はひどく震えていて弱々しい。
冷たい鉄に吸い込まれて消えていく。
「お前じゃない、Aがなにかしたわけじゃないんだ…、でも、あいつの代わりに、逃げないで、戦ってほしい…せめて、忘れないでほしい。頼む、これ以上俺を最低な人間にしないでくれ…」
『いいよ、全部忘れるんだ。君はいいこだね。辛いことも、悲しいことも、捨てちゃえばいいよ。』
「あの事件を、お前の中で終わらせてほしくない…Aはすごく優しいから、きっと、辛いと思う。でも、だからこそ…ちゃんと覚えていてくれ…」
『さあ、今日はゆっくりおやすみ。明日からまた楽しい夢を見ようね』
2人の男の人の声が、メリーゴーランドのようにクルクルと廻りはじめる。
酷く苦しそうな男の声と、
酷く陽気そうな男の声。
ああ…私は自分を守るために、誰かを傷つけているんだ。
大切な仲間を…高杉先輩を、自分のエゴで縛り付けてるんだ。
思い…出さなきゃ…
心が壊れてしまっても…
この先どんなに生きるのが辛くなっても…
私には思い出さなきゃいけない義務がある。
自ら殺した記憶をもう1度、手に入れる義務が…
第六章:「高杉先輩と殺した記憶」
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あすてり(プロフ) - ひーさん» コメントありがとうございます!夏休み中は更新が難しいのでもう少しお待ちいただけると嬉しいです…申し訳ありません!九月になったらまた更新ペースを戻そうと思います^^ (2016年8月26日 15時) (レス) id: 512bf01fcc (このIDを非表示/違反報告)
ひー - 続き待ってます!こんな小説が俺もかけれたらいいのに・・・ (2016年8月26日 14時) (レス) id: a8b56a1290 (このIDを非表示/違反報告)
ロミナ(プロフ) - はい!これからも、頑張って下さい!応援してますっ´ω`*こちらこそ、楽しく読ませて頂いてます^^*こんな私ですが、陰ながら応援しています!! (2016年5月25日 6時) (レス) id: 521744df00 (このIDを非表示/違反報告)
羅李奏(プロフ) - あすてりさん» ずっと応援してますからね(((o(*゚▽゚*)o)))! (2016年5月24日 2時) (レス) id: 28b874c96e (このIDを非表示/違反報告)
あすてり(プロフ) - 羅李奏さん» 神作品だなんて、とんでもないです!コメント有難うございます!そう言っていただけるのが小説を執筆することの一番の喜びです。これからも頑張ります! (2016年5月24日 2時) (レス) id: d8ef19a0ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あすてり | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/eriharuu/
作成日時:2014年12月25日 16時