銀さんの過去編�� ページ13
〜銀時の記憶side〜
「あれ、誰？そいつ。」
木々の葉が朽葉色に染り始め、初秋を迎えたある日。
松陽の後ろに隠れるそいつは、俺と目が合うなり直ぐに顔を引っ込めた。
ボロボロの着物を纏い、体も痩せ細ってる。
頬の大きな火傷跡も相まって、
そこら辺にいたら物乞いと勘違いしそうだった。
「この子は竜胆。銀時の3つか2つくらい年下の女の子です。今日から松下村塾の生徒の仲間になりました。仲良くしてあげて下さいね。」
「りんどー？ふーん、でもこんなちびっ子が勉強できんの？」
「そうですねぇ、銀時よりはしっかり勉強すると思いますよ。」
サボり魔の俺をおちょくったのか、くつくつと笑う松陽。
松陽からベッタリ離れない竜胆とかいう女は、
気に食わないな、というのが第一印象だった。
────────────────────.....
初めて会った日から1ヶ月経ったようなある日。
「銀時！」
廊下を歩いていると、突然厳しめな声で松陽に呼び止められた。
「しょ、松陽！」
何の話かは分かっている。
ついさっき、竜胆が干した洗濯物を取り込もうとして、ほとんどの服を地面に落とし、竜胆を泣かせた事だろう。
しかもその場で謝るどころか、無理やり竜胆のせいにして逃げてしまったのだ。
「俺は別に悪い事してねぇよ、ただあいつに休んでほしくて...！」
「分かっていますよ、だからほら、素直に謝ってきなさい。許してくれますから。」
微笑する松陽に促され、俺は竜胆の元へと歩み寄った。
「おい、竜胆。」
「何よ。」
相変わらず泣きじゃくって背を向ける竜胆。
「さっきは...その、...俺が、悪かった、かも、しれねぇ。」
言葉を付け足せば足すだけ意味の無いものになっていくのは分かっていても、
どうにも素直になれなかった。
けれど、竜胆は鼻をすするのを止めて振り向いた。
「もういーよ、」
そう言って赤くなった目尻を細めてニコリと笑った。
その時俺は、初めてこいつを可愛いと思った。
────────────────────.....
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銀さんの過去編�□�←半端な心意気で殺生するのは何よりも失礼
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紅狼 - とても良い作品でした！！続きがめちゃ気になります！！更新頑張ってください！応援してます！！！！！！ (1月8日 1時) (
レス) @page50 id: c1d0e4500e (このIDを非表示/違反報告)
yuki(プロフ) - ストーリーがすごく好きです！！続きが楽しみです。 (2023年3月30日 21時) (レス) id: 17169564a0 (このIDを非表示/違反報告)
らいあ - 言葉が出ないくらいすごい作品でした！！！続き楽しみにしています！ (2022年1月14日 17時) (レス) id: 5ed45ad072 (このIDを非表示/違反報告)
常夏(プロフ) - この作品大好きです！ (2021年2月5日 22時) (レス) id: 3853130063 (このIDを非表示/違反報告)
みっかぼーず(プロフ) - すごく面白かったです！！ストーリーが良く作り込まれていて尊敬します (2020年4月19日 0時) (レス) id: 90b29dc37c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のと丸 | 作成日時：2019年10月1日 3時
