ようやく宿題終わらせた後に、「昨日言った範囲、間違えてたわ」と笑って言われた時の絶望感と喪失感 ページ9
〜新八side〜
「ったく待ち過ぎてくたびれちまった。」
「悪いな、ようやく犯人が捕まったもんだから忙しくなっちまってよ。」
そんなこと言ってただ寝てただけの銀さんに言葉を返すのは、ここ真選組の局長を務める近藤勲という男だった。
普段は僕の姉上につきまとう変態ストーカーゴリラだが、
さっきまでは報告とかでお偉いさんの方に出向いた局長をやっていたらしい。
「それにしても何でお前達が天人連続殺人事件を気にするんだ?
資料室に一般人を入らせるのは普通禁止なんだぞ、義弟の頼みときちゃあ致し方ないが。」
「誰が義弟だァ!!!」
ごく自然にそんな馬鹿げたことをぬかすからこの人は油断ならない。
嬉々とした表情の近藤さんに喝破した僕の声が廊下に響く。
「ここが資料室だぞ。」
そう言って僕らの先を歩いて案内してくれた近藤さんが、ドアノブを捻り、重い扉を開いて入った。
電気を付ける彼に続いて僕らも入る。
「うぉ、めっちゃあるネ、これ全部事件とかの帳簿アルか?」
「そうだ、ま、管轄区域の江戸内だけでもざっとこんなもんだな。最近のはこっちだ。」
広い室内には、僕らの背を超える高さの棚にずらりとファイルが並んであった。
それぞれの背表紙に事件名が書かれている。
圧倒されて言葉を失う僕らを置いて、近藤さんはさっさと事件簿を手に取った。
「また分厚い帳簿だなー」
「まあな、あの狐が出てきてもう一年くらいなるからな。」
「ったく、一年間女のしり追っかけて今頃逮捕たァどんな調査続けてたんだよ。」
「いや、そもそも狐が女だってわかったのはつい最近なんだぞ?今まで男だと思って調べてたんだから。
神出鬼没で現場に駆けつけた時には証拠を残さず消えちまうんだから、ほんと、ようやくって感じだ。」
はは、と乾いた笑みを浮かべる。
すると銀さんは、そんな彼に衝撃の真実を告げる。
「あのさぁ、その今捕まってる奴、実は本物の犯人じゃなくて、顔がそっくりなだけのウチの従業員なんだよね。誤認逮捕?されちゃってんの。」
「は、はァ?!!お前んとこの従業員だとォ?!!でもだって証拠も証言もあるんだぞ?!俺もう上部に報告しちゃったよ?!!」
目を大きく見開いて、顎外れるんじゃないかってぐらいあんぐりと口を開ける近藤さん。
顔面蒼白している。
「ま、俺達はそいつの無罪を証明するためにここに来たってワケ。」
そう言う銀さんは、いつにも増して真剣な目をしていた。
飛んで火に入る夏の虫にしてやろうという魂胆である→←論より証拠、証拠より私感?
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のと丸(プロフ) - ジャスタウェイさん» ジャ、ジャスタウェイさん...!初めまして!!お褒めのお言葉誠にありがとうございます!!更新頑張ります〜(●´▽`●) (2019年8月13日 20時) (レス) id: 73b1ba17eb (このIDを非表示/違反報告)
ジャスタウェイ - とても面白いです。ぜひ更新頑張ってください。 (2019年8月13日 19時) (レス) id: f6013c941d (このIDを非表示/違反報告)
のと丸(プロフ) - みぃさん» みぃさんこんにちは〜!!超特急で帰ってきてしまいましたね笑応援ありがとうございます!!(●´▽`●) (2019年8月9日 16時) (レス) id: 3187970ecf (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - こんにちはです!帰って来るの待ってました。これからも頑張ってください! (2019年8月9日 16時) (レス) id: d77d134be6 (このIDを非表示/違反報告)
のと丸(プロフ) - シルバさん» コメントありがとうございます!!すごくすごく嬉しいです!!。゚(゚^ω^゚)゚。更新停止と宣っておきながら、結局更新再開することになってすみません(TT)節操なしの作者ですが、何卒宜しくお願いします!<(_ _*)> (2019年8月9日 12時) (レス) id: 3187970ecf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のと丸 | 作成日時:2019年7月28日 17時