異世界人と万事屋３【銀魂】

優柔不断な奴ほどさっさとゾンビに喰われる ページ6

〜銀時side〜



「ええ！まっまさかドッペルゲンガーって、本当にいるんですかね、」


えっ、こいつ信じちゃうのかよ、


と一瞬ビビったものの、平然を繕って健気な少年に話を続けた。


「まあ、それはともかく、そいつが松陽の言ってる妹と条件が一致するのは気がかりだな。」

そう言って腕を組み、悩むように唸り声を漏らす。


(じゃあやっぱり妹って言うのは妹分って意味か、
Aの顔は松陽とは似ても似つかねぇもんな。)


一つの真実に辿り着いた、と思うと、


ふとあの日のことが蘇った。



『銀ちゃんは、松陽先生の事が、大好きなのね。』




Aの顔と声に重なるあの朧気で微かな映像。



幼いようにも見えたから、昔そんなヤツが松下村塾にいたのかも知れない。



なら、新八と神楽を襲ったAの顔した女が、




俺の頭にとどまっている記憶(そいつ)なのか？




だとしたら、話が噛み合わないでもないな。



でもじゃあ何でこんなにも思い出せねぇんだ、





あ、いや、でもよく考えたら俺ー、


松下村塾にいた女子の顔ほとんど覚えてねぇな、



つかそもそも松陽が書いた依頼書なのかよ本当に、



「ちょっと銀さん、何ボーッとしてるんですか、屯所通り過ぎちゃいますよ。」



新八の声でふと顔を上げると、左を向けば屯所と書かれた門の前に来ていた。


「あのォー！！！ごめんくださァ──い！！




·······




はいどぞー！お入りくだっさぁい！


よし、行くぞテメーら。」


「いや今返事来ないからって自分で裏声出しましたよね、聞こえましたよその口から。いいんですかね、不法侵入になりませんかね、」


「いいんだヨ、誰がなんと言おうと許可は許可アル、んな事言ってんならお前だけそこでお留守番してろヨ。」


そう言って神楽は俺と、やかましいメガネを置いてさっさと門をくぐり抜けた。


ゴリラいるかなと探してみたけど、

生憎今は下っ端の連中しかいないらしい、


そいつらにここで待ってろと案内された和室で腰を下ろした。




「ったく何だヨ！！客来た時は茶菓子の一つや八十つ出すのが礼儀ダロ！！」

「一つや二つでしょ、数飛躍し過ぎでしょ、どんだけ食べるつもりなの神楽ちゃん。
まぁここで待ってればすぐ近藤さん達来るって言うし、少しの辛抱だよ。」


飢えた怪獣ゴ〇ラの興奮を宥める新八。



俺達はそれから、アイツらが障子を開けるのを今か今かと待ち侘びて、


間もなく二時間を経過しようとしていた。

スマホ無くなっても死にゃあしねーよスマホのない世界で生きていくんだ→←絡み合う糸、ほつれるか結ばれるか

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