犯人は普通自分の事犯人だなんて言わないよ、だから犯人なんだよ ページ33
〜銀時side〜
俺の一言で静まり返る居間。
「そう言えば、なんであんた達まで私の事探してたの?」
俯いたかと思うといきなり話題を変え始めた。
話したくないのか、
「あーそれはだなぁ...」
ここでAの無実を証明するために署に連行するためなんて言ったら、いくら腹がすいていようとさすがに逃げ出すか。
躊躇っているうちにある事を思い出す。
慌てて懐からあの例の依頼書を取り出し、女に見せつけた。
「これ、人探しの依頼が来てよ、その人物の特徴がお前に一致してたもんだからもしかしてと思って後をつけてたんだ。」
(俺冴えてるな、めちゃくちゃいい理由になってんじゃん)
内心自分の偽装の上手さに自惚れていると、女は依頼書を勝手に取り出し中を読み始めた。
「これ...何これ。」
内容を見るなりしかめっ面になる。
無理もないか、貧乳とか書かれてるもんな。
「松陽先生の字じゃないじゃない。」
吐き捨てるように呟いて、すぐに自分が何を言ったのか気づき口元を押さえた。
「えっ、」
驚いた俺の声が漏れ、そのまままた沈黙ゾーンに突入する。
いや、寺子屋にいたんだ、松陽の事は知っててもおかしくねぇだろ。
自分に理解出来るよう言い聞かせるも、腑に落ちないことが一つ。
「俺ぁ先生の字だと思ってたけど、違うの?」
「似てるけど、違う。」
女は興味深そうにそれを見つめ、小さく唸る。
「変な依頼書ね、まるで誰かが先生に成り代わって書いたみたい。」
確かに特徴は私と一致してる...と、呟く。
やっぱり、他の誰かが書いてたのか。
でもだとすりゃこれを書いた張本人が本当に見当つかねぇ。
「つか、やっぱりお前だよな、この依頼人の探してる妹。そうだわー、絶対そうだわー、」
論点をずらし、顔を近くで見ようと近付くと、急に俺に背を向けた。
「何で顔背けんの。」
「別に、」
そう言えばさっきからずっと俯いたりそっぽ向いたりして女の正面顔を見ていない。
「そーかよ、あとお前名前何?さっき言いかけてたよね。もういい加減女女言ってるから読者どの女か分かんなくなってきてるよ?」
「竜胆。」
女の一言は、あの日松下村塾の門前に置いてあった青い花を見て笑うAの顔を脳裏に蘇らせた。
「花の名前か、」
「へぇ、やっと意味分かったんだ。昔は花なんてちっとも興味なかったのにね。」
「え、」
するとまた失言したように、女、もとい竜胆は、口を押さえて何でもないとだけ呟いた。
過ちは気づいた時にすぐ改めるべきだが、タイミングってもんがある→←人を詮索する時に慎重になるのはもはや礼儀
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のと丸(プロフ) - ジャスタウェイさん» ジャ、ジャスタウェイさん...!初めまして!!お褒めのお言葉誠にありがとうございます!!更新頑張ります〜(●´▽`●) (2019年8月13日 20時) (レス) id: 73b1ba17eb (このIDを非表示/違反報告)
ジャスタウェイ - とても面白いです。ぜひ更新頑張ってください。 (2019年8月13日 19時) (レス) id: f6013c941d (このIDを非表示/違反報告)
のと丸(プロフ) - みぃさん» みぃさんこんにちは〜!!超特急で帰ってきてしまいましたね笑応援ありがとうございます!!(●´▽`●) (2019年8月9日 16時) (レス) id: 3187970ecf (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - こんにちはです!帰って来るの待ってました。これからも頑張ってください! (2019年8月9日 16時) (レス) id: d77d134be6 (このIDを非表示/違反報告)
のと丸(プロフ) - シルバさん» コメントありがとうございます!!すごくすごく嬉しいです!!。゚(゚^ω^゚)゚。更新停止と宣っておきながら、結局更新再開することになってすみません(TT)節操なしの作者ですが、何卒宜しくお願いします!<(_ _*)> (2019年8月9日 12時) (レス) id: 3187970ecf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のと丸 | 作成日時:2019年7月28日 17時