甘いものが好きな人間は自分にも甘かったりする ページ24
「銀さん、他に何買ったって言うんです？」
新八くんの眼鏡が光る。
「いやいや、これはアレだって、Aの分だって！
女の子だしー？デザートも食べたいかなーって思って買ってきただけだから！
断じて俺が食べたくて買ったわけじゃないから！」
誤魔化しきれてなくても必死に弁解する銀さん。
「わーこんなにたくさんいいんですか？」
私の言葉に二人は、え、と固まる。
「プリンにケーキに、ドーナツにみたらし団子！美味しそ〜！」
「えっと、Aちゃん？それー、全部食べられるの？」
震えるような少し高い声で銀さんが訊ねる。
「え、はい！食べられますよ！」
ハツラツと即答する私。
「いやー、でもまずは弁当食わねぇと。」
「はい、お弁当食べて、デザート食べますよ！もちろん。」
「さすがに全部はお腹に入んないんじゃない？」
「いえ、これぐらいなら入りますよ！もう三日も食べてませんし！」
「あー......そう。」
分かりやすいほど意気消沈する銀さんを哀れんで、新八くんが私にそっと耳打ちしてきた。
「あの、Aさん。申し訳ないんですけど、
銀さん、糖分中毒者と言っても過言ではないほど甘いものが大好きな人なので...
何か一つだけでも譲ってあげてくれますか。」
(優しいな新八くんは。)
心の中でくすりと笑みがこぼれた。
本当のところ私は、彼が甘党なのを薄々勘づいていたから、からかってわざと食い意地を張っていた。
「銀さん、私、やっぱりこんなに食べられないので、
みたらし団子だけいただきます、他はどうぞ。」
みたらし団子以外のデザートを彼の前に差し出すと、いとも簡単に機嫌を取り戻した。
「えっいいの？ホント？悪ィな、じゃあ遠慮なく食うわー。」
もらうや否やさっそくフォークを取り出してまずチョコレートケーキを口に運んだ。
銀さんはあまり表情は変えないものの、やはり何となく落ち着いたように見えた。
その様子を一通り見終わって満足すると、
「それじゃあ、いただきます。」
手を合わせて、私もご飯を食べ始めた。
唐揚げ弁当は、普通に美味しかった。
まあ、私は大してグルメでもないため、不味くなければ何でも美味しいと感じてしまう舌である。
お茶を飲むと、そう言えば、血ぃ吐いたんだったな...と新たな記憶が蘇ったが、
ご飯を食べている時ぐらい何も考えたくないと、すぐに唐揚げの味に集中した。
人は知らぬ間に誰かに弱みを握られている→←異世界に行っても人間の必需品は変わらない
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のと丸(プロフ) - 雪華さん» わー！鋼錬の小説で、コメントして下さった方ですよね！ありがとうございます！(´∀｀*)続編というか、新作ですが；； (2019年7月15日 9時) (
レス) id: 3187970ecf (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - 続編おめでとうございます! (2019年7月15日 8時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
のと丸(プロフ) - みぃさん» 初めまして！コメントありがとうございます！！ご感想とても嬉しく、励みになります！｡°(°´∀`°)°｡銀魂の小説は初めてなので至らないところがあるかもしれませんが、今後とも楽しんで下さい(´▽｀*) (2019年7月13日 16時) (レス) id: 3187970ecf (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - 初めましてです！とても面白いです！この作品が大好きです。更新頑張ってください！ (2019年7月13日 16時) (レス) id: d77d134be6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のと丸 | 作成日時：2019年7月10日 22時
