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人は知らぬ間に誰かに弱みを握られている ページ25

「ごちそうさまでした。」

お弁当と団子を食べ終え、私は掌を合わせた。

「お腹は満たされましたか?」

「うん、お腹いっぱい!本当にありがとう、美味しかったよ。」

「それは良かったです。」


微笑む新八くんに可愛いな、と素直に思った。



「それにしても銀さん。」


新八くんが話を振ると、あ?と返事をする彼。


「Aさんが言うには、怪我をした時、本当に誰もいなかったそうですよ。」


「見えなかっただけじゃねぇのか?」


ドーナツも食べ終え、プリンのフタを剥がしながら応える。



「そうかもしれませんけど、でも本当に誰もいなかったのなら、もしかしたら、幽霊かもしれませんよね。」


もちろん新八くんは本気で言ったつもりではなかっただろう。



(幽霊が物理攻撃ねぇ...)と考えていると、銀さんが鼻で笑った。




「馬鹿言ってんじゃねぇよぱっつぁん、
これだからオタクは現実と非現実の区別もつかなくて困るんだよな。」



すると、神楽ちゃんが銀さんの持つ皿の上の、ひっくり返されたプリンを見て口を開く。




「銀ちゃん銀ちゃん。」





「なに。」






「プリン、震えてるアル。」






「......プリンのプリプリ加減を楽しんでるだけだ。気にするな。」






どんな楽しみ方してんの、とツッコまずにはいられない気持ちを私は何とか抑え込んだ。





そのまま新八くんが話を続ける。



「だって銀さん、目に見えないんですよ相手。目に見えないって言ったらもうゆう」



「だァーかァーらァー!!んなわけねぇだろっつってんだろっつってんだろ!!!」




新八くんの言葉を遮って、銀さんの声はさっきよりも声量が増した。




大声を出して少し息を切らした彼を見て、再び神楽ちゃんが名を呼ぶ。





「銀ちゃん銀ちゃん。」






「なに!」






「今、「つってんだろ」一つ多かったアル。」



「何神楽!!何だよ!!!俺が動揺してるとでも言いたいのか?!!」


ついに痺れ切らして核心をついた銀さん。



「おーよく分かったアルな。」


にへらっと嘲笑した笑みで彼を小馬鹿にする中華娘。



「この、クソガキっ」



銀さんは負け惜しみのような捨てセリフを吐いてプリンを口に突っ込んだ。



(はあ、つまり何、銀さんって幽霊ダメな系...??)




察しのいい私は、まあ、察しが悪くても今の様子を見れば誰でも分かるだろうが、

彼はオバケの類が苦手らしい。




そして思う。









(可愛いな、おい。)


と。

しかし、チンピラと呼ぶにはあまりにも真っ直ぐな目をした男だった→←甘いものが好きな人間は自分にも甘かったりする



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のと丸(プロフ) - 雪華さん» わー!鋼錬の小説で、コメントして下さった方ですよね!ありがとうございます!(´∀`*)続編というか、新作ですが;; (2019年7月15日 9時) (レス) id: 3187970ecf (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - 続編おめでとうございます! (2019年7月15日 8時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
のと丸(プロフ) - みぃさん» 初めまして!コメントありがとうございます!!ご感想とても嬉しく、励みになります!。°(°´∀`°)°。銀魂の小説は初めてなので至らないところがあるかもしれませんが、今後とも楽しんで下さい(´▽`*) (2019年7月13日 16時) (レス) id: 3187970ecf (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - 初めましてです!とても面白いです!この作品が大好きです。更新頑張ってください! (2019年7月13日 16時) (レス) id: d77d134be6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:のと丸 | 作成日時:2019年7月10日 22時

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