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珍しくないこと ページ21

「・・・ん」


体が、重い。
意識を取り戻してから最初に感じたのは、そんな異常だった。


「遅いお目覚めですね、お嬢さん」


そんな言葉を投げ掛けられたのだが、反応が返せない。
私は嵌められたと確実に理解しているし、声の主に対する怒りだってある。本当は今すぐ打開策を考えたいのに、まるで悪霊に憑かれたかのような体の不調。


「・・・ちょっと薬使い過ぎじゃないですか」

「ただのエサがどんな状態だろうと知りません」

「死んだりしねぇだろうな」

「そんなに不安ならさっさと解毒薬を使いなさい。手足を縛っている以上、逃げる心配もありません。好きにしなさい。」


声の様子からこの場にいるのは大体5、6人だろうか。


「ごめんなさい、解毒薬を注射しますね」


弱々しい声を発している1人が、遠慮がちに私の腕に触れる。


「少しチクッとするかもしれません」


それから少しずつ正常に稼働していく頭で、私は意識を失う直前の言葉を思い出していた。

「苦労したよ、お嬢さん。ようやく真選組壊滅への足掛かりを得た。」

真選組と人質、というワード。
状況を整理するのは難しくない。

この状況に対してはもちろん、バイトの時間やら真選組やら銀時のことやら・・・とにかくたくさんの意味での危機感に苛まれて、胃痛がする。


「今何時」


多分、こんな状況に陥った人間は往々にして「助けてくれ」だとかの命乞いをするのかもしれないが、生憎私はそんなにピュアな人間ではない。


「・・・バイトの時間なので」

「バイト?」


ポカンと呆けた表情をしたままの男たちが立っているのは実に滑稽だ。

とはいえ、こちとらコンビニバイトに生活がかかっている身。今のバイトをクビにでもなって次の収入減がなければ待つのは死だ。今ここで殺されようが無収入が原因で死のうが、結末は変わらない。

・・・まあ死ぬつもりは全くないが。

だってようやく見つけたんだ。
家族も、これから家族になりたい人たちも。
こんなこと絶対本人たちには言ってやらないけど。


「解毒薬だかなんだか打ってもらって早々、こんな煽るようなこと言うのもどうかと思うんですが・・・。本気で真選組壊滅を狙うならもう少し賢いやり方したらどうでしょう。」


人質をとっての脅迫など、真選組にとっては珍しくないことだろうに。

誰にだって付く→←暗闇



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ξεグリムэЭ(プロフ) - えだまめンヌ。さん» ありがとうございます!ログイン情報を忘れて長らく更新できなかったアホなのですが(笑)引き続き頑張ります! (2020年9月2日 2時) (レス) id: 69bdc7b84c (このIDを非表示/違反報告)
えだまめンヌ。 - しっかり掴まれていて、リアル銀魂!って感じが凄いなと思いました笑ええぇ…未だに驚かされています笑銀さんの生き様だとか、そういうものも盛り込まれていて一気に引き込まれました。この作品大好きです!!応援しています!! (2020年6月18日 16時) (レス) id: 510c711c3f (このIDを非表示/違反報告)
えだまめンヌ。 - 昨日の夜この作品を見つけ、次の日が学校という事も構わず一気読みしてしまいました笑めっっちゃ面白い!!こんな事があったら、きっとキャラはこういう事を言うんだろうな、するんだろうなという部分を→ (2020年6月18日 15時) (レス) id: 510c711c3f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ξεグリムэЗ | 作成日時:2019年3月22日 6時

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