第五十六幕 ページ10
許せなかった。
幼気な女の子が大人に殴られる瞬間。
私の脳内に�狹曚魑�すな�甅狎犬�してはならない�瓩閥�い命令信号が出された。
不思議だ。
あの時はそんなこと微塵も思って無かったのに。
多分これが
旧鼠は地面に転がるゆらを一瞥し、ニッと笑う。
「この陰陽師を殴ったことがそんなに気に入らなかったか？」
耳を塞ぎたくなるような高い鼠の笑い声。
自分の心がドス黒い色に染まるような、鉛を溶かされたような重い気持ちになるのを感じた。
「…ホント、反吐がでるのよ。
強さを誇示して、弱い者に暴力を振るい自分は格上だと勘違いした腐れ脳筋野郎にはね！！」
徐々に感情が昂り、比例して声も大きくなる。
私が侮蔑の言葉を並べると旧鼠の顔が曇り始める。
「どうせ狙いはあの子なんでしょ？
三代目を引き継ぐことは、か弱い妖怪達を守るという使命も課せられているとある妖怪から聞いたの…。
どう考えてもドブネズミが器になる筈がないよね？
けど、あの子には器も覚悟もある。
あんたはあの子に勝てないの。
…永遠にね。」
その刹那、旧鼠は彼女の顔に一発。
腹に一発殴り。
最後に脇腹に一蹴して地面に倒す。
Aは内臓への大きな衝撃に、胃液が逆流して吐き出される。
さらに、口腔が切れたらしく鉄の味がじわりと滲んだ。
旧鼠は彼女を見下ろしながら、血のついた手をハンカチで拭う。
「残念だよ。ちょっと面白い餓鬼だと思ったのに…そうすればお前だけは見逃してやっても良かったんだけどなあ…？」
「嘘…つき。
地獄へ…落ちろ。」
その言葉を最後に、Aは意識を手放した。
旧鼠は手を変化させて、鋭い爪を彼女の首にかざした。
「餌が二人もいるんだ。
一人くらい先に頂いても問題ないよなぁ？
さようなら、仔猫ちゃん。」
その爪が頸動脈を一気に裂き、血飛沫が飛び散る…
というような結果にはならなかった。
旧鼠の目の前で
真っ赤な炎はどんどん大きくなり、熱さで腕ごと溶けそうな勢いだった。
すぐさまAから離れ、手を払うと炎は不自然に一瞬で消えた。
気がつくと手下も服の一部が燃えている。
「ギィィィィィィ！！」
カナに纏わりついていた鼠に関しては火で全滅だった。
�狠蝋�へ…落ちろ��
それはどこまでも焼き尽くす。
地獄のような業火だった。
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桃子(プロフ) - めっちゃ面白くて好きです!!忙しいと思いますが更新頑張ってください！ (2021年5月15日 22時) (
レス) id: f758fcdb57 (このIDを非表示/違反報告)
氷麗 - とっても面白いです！色々忙がしいと思いますが、更新頑張って下さい！p(^-^)q (2020年8月6日 10時) (レス) id: 0b4aa008b9 (このIDを非表示/違反報告)
レモンティー(プロフ) - みいらさん» コメントありがとうございます！とても励みになります( ；∀；)ノロマ更新ですが気長にお待ちいただければ幸いです。今日の夜に更新しますね！ (2020年6月23日 12時) (レス) id: a8c312a3ba (このIDを非表示/違反報告)
みいら(プロフ) - とっっても面白いです！更新頑張って下さい！！ (2020年6月23日 10時) (レス) id: 8b1d0909e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レモンティー | 作成日時：2020年5月28日 19時
