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第四十九幕 ページ3

ふわっとした明るい髪が肩に乗り。
少しサイズの大きいパーカーが彼女の華奢な身体を引き立たせる。

そして裾から見える細くスラっと伸びた魅惑の生脚。

ここまで来て、何が始まったのかと混乱する人が多いだろう。

これは彼の性癖の話である。


(待って!!
今日の姉ちゃんかわいい!!??)

リクオだって、思春期真っ只中の健全な男の子。
彼女の私服には何か差さるものがあった。

彼だって萌えるときは萌える。

リクオの内心が荒れ始めている頃、彼女は一触即発状態の二人の間に入った。

「ごめんね〜首なし。
ソラってば口は悪いし、融通が効かないから誰でも悪態ついちゃうんだよね。
どうか私の顔に免じて許してほしい。
リクオもごめんね。」

「あ、ああ…いえ」

その言葉に首なしの気は収まったようだった。
しかし、逆にソラの怒りのパラメータは急上昇だ。

「解せん!
どうして儂だけが悪者扱いなのだ!
ここにいる者も、たかが陰陽師一人にビビりおってそれでも妖怪か!!」

Aは荒れ狂うソラに落ち着かせるよう手を上下に振る。

そこで彼女はある提案をだした。

「ソラの気持ちもわかるよ。
そこで私、良いこと思い付いたんだけど…。」


と、ソラに耳打ちをする。
すると、先ほどまで鼻や眉間にシワを寄せていた彼の表情が柔らかくなり、微かに尻尾を振っている。


「し、仕方なかろう…今回はそれで手を打つ。
儂は部屋で寝ているから誰も入るな。
もし起こしたら……わかっているな?」


そうして、背を向けAとソラの部屋へと向かった。

あれだけ説得に苦労したあの猛獣を、数秒で鎮めたことにその場の者は拍子抜けする。

「姉ちゃん、一体どんな手口を…。」

「まあソラとは長いからね〜、親しい間柄なら機嫌を直す手段の一つや二つあるものだよ。
ささ!清継たちを迎え入れちゃおう!
みんなも早く隠れないと滅されるよ〜」

妖怪たちは隠れ場所を求め、散り散りにその場を離れた。

・・・

カタカタと揺れる古い天井。
風に吹かれる枝垂れ桜の影が広すぎる部屋の不気味さを増している。

「…なんか本当に出そう」


それっぽい雰囲気に少しビクついている島。


だが、清継はそう捉えていないようだ。
むしろ心地良さそうに会議を始める。


「いい雰囲気…それじゃあ始めよう。
今日は花開院さんに…プロの陰陽師の妖怪レクチャーを受けたいと思います。」

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桃子(プロフ) - めっちゃ面白くて好きです!!忙しいと思いますが更新頑張ってください! (2021年5月15日 22時) (レス) id: f758fcdb57 (このIDを非表示/違反報告)
氷麗 - とっても面白いです!色々忙がしいと思いますが、更新頑張って下さい!p(^-^)q (2020年8月6日 10時) (レス) id: 0b4aa008b9 (このIDを非表示/違反報告)
レモンティー(プロフ) - みいらさん» コメントありがとうございます!とても励みになります( ;∀;)ノロマ更新ですが気長にお待ちいただければ幸いです。今日の夜に更新しますね! (2020年6月23日 12時) (レス) id: a8c312a3ba (このIDを非表示/違反報告)
みいら(プロフ) - とっっても面白いです!更新頑張って下さい!! (2020年6月23日 10時) (レス) id: 8b1d0909e8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:レモンティー | 作成日時:2020年5月28日 19時

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