『___________________』【ぬら孫】 (ページ46)

今日:32 hit、昨日:6 hit、合計:56,516 hit

第四十三幕ページ46

その後、清十字怪奇探偵団という謎の組織が結成された。
もちろん、ノリに乗ってAも団員に加わりリクオとカナも行かざるおえない状況になった。

現在、清十字家のプライベート資料室に一同は集まっていた。

「ところで、何故に氷麗がいるの？」

「若の護衛です！！
言っとくけどあの時のことはまだ許してませんからね！」

あの時とはリクオとAが再会して抱き合っていた時のことだろう。

あれ以降、氷麗からは警戒心をもたれ目の敵にされている。
本人はあまり気にしていないようだが。

「そっかそっか。
話変わるけど、清継って本当にお金持ちなんだね。
古そうな品がいっぱい置いてあるよ…これだけあれば付喪神が一体いてもおかしくないんじゃない？」

今回の目的は、清継が回帰蒐集マニアの友人からかいとった〝呪いの人形〟を検証することだった。

「雪女…もとい氷麗、うちに物に取り憑いたりする妖怪とかいたっけ？」

二人が内緒話をしているところをゆらは気になって後ろを振り返る。
だがそれを阻止するかのようにAは隣を歩き、彼女に声をかけた。

「転校生…じゃなくて花開院ゆらちゃんだったかな？
私も最近転校してきたばかりなんだよね。

ゆらちゃんからすれば慣れない環境で大変なこともあるだろうけど困ったことがあったらいつでも相談してね。」

よろしくと手を差し伸べるAにゆらも好意の気持ちを込めて手を重ねた。

「奴良くんと家長さんのお姉さん…おおきに。」
(ええ人やな～…。)

件の呪いの人形に辿り着くと、一同は引きつった顔でそれを見ていた。

薄気味の悪い日本人形は髪が長く、虚ろな目で佇んでいた。

清継がこの人形の持ち主が書いたと思われる日記を読み上げる。
リクオは何か変化はないか、日本人形を一瞥した。

すると、目から黒い血の涙を流していた。

ギョッとしたリクオは人形にタックルをかました。
清継は彼がとったとんでもない行動に対し、注意をする。

氷麗とAもその光景を目撃していた。
そして、清継が日記を読み進めていく度に人形の妖気は増していく。

その記述通りに人形は髪をモリモリと生やしていった。

「待って、これマジのやつやん。」

「若…これ…」

「ああ、まずいぞ…」

皆の前で氷麗の攻撃を使うわけにもいかない。
そうこうしている間にも、人形の表情が怒りへと変わる。

ついに、その刃を振り飾そうとした時。

「に、日記を読むのをやめてーー！！」