『___________________』【ぬら孫】 (ページ24)

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第二十二幕ページ24

「よし、揃ったね。メンバーは6人か…」

結局、旧校舎のことが気になりついてきてしまった。

今は妖怪たちが活動しやすい夜。
何故か清継から名誉隊員という役割を与えられリクオは今回の調査に参加している。

(そりゃ行かない方が普通に考えたら安全だけど…)

記事を見た瞬間に嫌な予感(・・・・)がした。
それに、もし自分の組が悪さをしていたら…ここは自ら厳重に査定しなければならないと思った。
何より人間を危険に晒すわけにはいかない。

ふと、目線を右にずらす。

そこには怖いのものが苦手なはずの、幼なじみが立っていた。

「カナちゃん！？なんで！？」

「う…うるさいな～いいでしょ？！
リクオくんこそなんでよ」

お互いが何故だと指を差し合う一方で、清継は新顔の二人の生徒に挨拶をする。

「やあどうも、ありがとう来てくれて。
失礼だが…名前は？」

「及川氷麗です！
こーゆの、超好きなの！」

一人は長い黒髪の目が大きい少女。

「オレも好きなんだ。
倉田だ。」

もう一人は目つきが悪くオールバックの巨漢だ。

(もの好きもいたもんだ…)

清継がルートの説明を行うと一行は即出発した。

・・・

ギィィ…。

ドアを開けて中に入った。

歩き出す度に軋む床板。
廊下から吹く隙間風。
無駄に散乱しているガラスの破片。
水道の蛇口から滴る水の音…。

いかにも、出ますよという雰囲気を醸し出している。

「とにかく細かい調査だ。
ここにい妖怪がいるなら…あの人に通じる何かがきっとあるはずさ！！」

リクオの背中にぴったり張り付くカナ。
一行はまず、美術室から調査を開始した。

そこは汚れやシミが付いた古い壁紙。
絵画はビリビリに破れ、数え切れないぐらいの美術用品が地面に転がっている。

リクオはどうやってバレずにやり過ごすか思考を巡らせていた。

一応棚の裏を覗き込む。

____そこにはボールを持った子供が座っていた。

赤い吊りスカートにおかっぱの女の子。
某トイレの霊である。

「あ、私のこと見っ」

すかさず棚を押し出す。
中身は空でガラスもほとんど割れていたため、容易に移動することができた。

(い、いた…本当にいた。
普通にいた…。)

ダラダラと汗をかきながら、その場を退散した。

その後も給湯室、トイレ、廊下…
と順番に巡回して行った。
移動するごとに妖怪は出没し、それらはリクオによって撃退されていく。