【銀魂】 かつて暗躍した「死神の使い」の正体は少女！？続

第93話 ページ44

仕方なく、部屋の扉を閉め

憂と目線を合わせるためにしゃがむ。

「絶対帰ってくる。

だから、少しだけ待っていてくれ。」

あの人のように頭でも撫でた方が良いかと

思ったがせっかく結った髪を

どうかと思ったためそっと頬に触れた。

『わかった…』

わかったと言いつつも

その表情は納得していなかった。

そんな憂を残し俺は部屋を出た。

部屋に戻ると憂は掛け布団の上で寝ていた。

「憂、戻った。掛け布団ぐらい自分で掛けろ」

『朧、お帰り』

見たことないような柔和な笑顔だった。

そう言うと憂が抱き付いてきた。

わずかに憂が震えているように感じた。

『松陽の夢を見た……

ねぇ、朧。

松陽なら似合ってるって

褒めてくれてたかな…？』

それは俺も褒めろと言うことなのだろうか。

「あぁ、似合っていると言ったはずだ。

現に、どの花魁より綺麗だ。」

そう言って俺は憂を抱きしめ返す。

恐らくあの人ならこうしただろうと思った。

憂はしばらく顔を埋めていた。

やっと離れたと思ったら、

俺の頬に両手を添え接吻してきた。

俺は呆気にとられ固まっていたが、

憂の目から涙が流れているのを

はっきり捉えた。

『守るどころか朧には守られてばっかだ』

悲しそうに笑った。

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