3237話 ページ4
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☆ 沖田side ☆
不謹慎極まりないAさんを、擁護する気は更々ない。部屋に塞ぎ込んでしまっていたのなら、同情したかも知れないがここまで自分の馬鹿っぷりを晒されたら、庇ってやろうにもやり方が分からないというものだ。
・・・・・・そう、思っていた。
「・・・・・・っ」
ズルい。その一言に尽きる。
あんな顔を見せられたら、それしか言えない。
その場の空気に耐え切れず、部屋から飛び出す者。
最後まで笑顔で見送ろうと、いつも通りを演じる者。
思い出に浸りながら、必死に涙を拭う者。
それぞれがそれぞれで時間を過ごす。
俺はどれにも当てはまらず、現実味を得られずに居た。
「・・・・・・笑ってよ」
外れの廊下で背中を壁にぴったりとくっ付けて、俯いていた彼女は不定期に鼻水をすすっていた。すっかり止んでしまった雪は、気温の変化で雨に変わる。濡れた地面が歪な形に姿を変え、やがて氷る。
ああ、冬は冷える。これだから好きになれない。
「・・・・・・・・・・・・笑おうよ」
縁側から空を見上げて、澄み切った青を感じた。
これが黒く変化して、また青くなる。毎年、毎月、毎日。そうやってずっと繰り返されてきた当たり前の事なのに、何故か受け入れられない。
何度繰り返されたって、巻き戻すのは不可能だ。
「嘘って、言ってよっ・・・・・・」
あと数ヶ月で、桜が咲き誇る。
その頃には、春の訪れを受け入れられているのだろうか。
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堕天使(プロフ) - 伶花さん» ご指摘ありがとうございます。しれっと直しました、感謝します! (2018年4月12日 7時) (レス) id: 725743dc16 (このIDを非表示/違反報告)
堕天使(プロフ) - しおからさん» 酢だこ食べる時にまでタコ男を思い出してたら、たこ焼き食べる時も美味しくなくなっちゃいますから適度に忘れることをお勧めします(おい)ギャグ、本当に楽しいです! (2018年4月12日 7時) (レス) id: 725743dc16 (このIDを非表示/違反報告)
堕天使(プロフ) - 総悟LOVEさん» お久しぶりです!返信遅くなりました…。ミンミンと桃太郎のギャグ絡みを書いていても多少の物足りなさを感じています。タコ男はいずれ出すつもりですのでそれまでお待ちください()べるぜバブ面白いですよね! (2018年4月12日 7時) (レス) id: 725743dc16 (このIDを非表示/違反報告)
伶花(プロフ) - 3277話、(名字 になってますよ (2018年3月29日 9時) (レス) id: 3b42b7a1cb (このIDを非表示/違反報告)
しおから - タコ……なんか切ないです。酢だこ食べる時とか…シリアスもお上手でしたけど、やっぱりギャグが面白いですね! (2018年3月28日 23時) (レス) id: 1423f5ea5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:堕天使 | 作成日時:2018年3月6日 23時