検索窓
今日:4 hit、昨日:3 hit、合計:98,381 hit

3226話 ページ41

.
☆ 土方side ☆



ボロボロと今にも崩れそうな建物が建ち並ぶ道を、歩いてすぐの所に開けた空き地がある。そこが、今回指定された場所だ。

曲がり角をその通りに曲がって、視線を上げる。すると、大勢の天人と黒い服を着た男達が集っていた。ゴクリと生唾を呑み、殺気に満ち溢れた地面を進む。心做しか、生気を感じない雑草の上に降り積もった真っ白な雪。靴で踏み付ける度にザクザクと音が聞こえ、足跡が残った。



「おっと、副長さんのお出ましだ」
「時間ぴったりぃ。流石、モテ男は違ェなァ」
「ゲハハ、そういやお前めっちゃ時間にルーズだもんな、見習っとけ」
「うっせェ、今日は遅刻しなかっただろうが!」
「当たり前ェだろ!何たって、腕試しの最高の機会なんだからよォ・・・」



下品な笑い方をした天人達が、舌なめずりをする。
先頭に立っていた"元"仲間に「Aは何処だ」と問うてみると「もう少しお待ちを、副長」とわざとらしく言ってきた。今すぐに切腹だ、と叫びたいところではあるのだが、Aを取り返してからにしておこう。



「本当に来てくれたんですねえ」



足音がした方向へ目線をやると、いつの日か逃げられた仲山が立っていた。その横には、虚ろな目をしたAがとぼとぼと覚束無い足取りで、歩を進めている。

明らかに、何かがあった。

呼吸が荒く、顔色が昨日よりも悪い。
ボサボサと乱れた髪の毛は、雑草よりも生気が無い。纏っている空気が、Aとは似ても似つかないと言うべきか。

兎に角、様子がおかしい。



土方「テメェ・・・何しやがった」

「強いて言うなら、心の奥底に眠る本当の感情を引っ張り出す手助けをした、ってところでしょうか」

土方「はァ?」

「Aさん、副長がお呼びですよ」



ニヤニヤと裏のある笑みを前面に出し、Aの肩をポンと叩く。すると、微かな声で「・・・ふくちょ、」と呟いて、目の色を一気に変えた。



土方「お、おいAっ・・・!?」



彼女は、瞳孔をかっ開いて、引き摺っていた刀をすぐさま抜く。そして、風邪を引いていた奴が出せるものではない、下手したらいつも以上の速さでいきなり襲いかかってきたのだった。

その顔には、不気味な笑顔が貼り付けられていた。



.

3227話→←3225話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (99 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
151人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 女隊士   
作品ジャンル:ギャグ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

堕天使(プロフ) - 今回のシリアスは、話が話なだけに皆様の反応が心配で心配で、コメントを見るたびに励まされて頑張ろうってなって、なのに更新しないでコメ返もしないで放置して…反省します。これからもハラハラドキドキさせられるように、頑張ります!!!!よろしくお願いします!! (2018年3月19日 14時) (レス) id: 725743dc16 (このIDを非表示/違反報告)
堕天使(プロフ) - 要約するとひたすらありがとうでいっぱいです。ありがとうございます。コメントが来る度にちらちら見てました(何故返さない)リクエスト、了解致しました、それこそ遅くなりそうですが気長にお待ちください…(頭抱え) (2018年3月19日 14時) (レス) id: 725743dc16 (このIDを非表示/違反報告)
堕天使(プロフ) - 皆様、たくさんのコメントありがとうございます!そして、返信するのが遅すぎて一括でやるはめになってしまって申し訳ございません。一人一人返したいのは山々なのですが、連続で操作すると占ツク自体が重くなりそうなので今回は気持ちだけお家に訪問してるつもりで… (2018年3月19日 14時) (レス) id: 725743dc16 (このIDを非表示/違反報告)
千鳥(プロフ) - 文字数ギリギリの長文失礼しました。 (2018年3月6日 17時) (レス) id: 042eec4381 (このIDを非表示/違反報告)
千鳥(プロフ) - タコおおお!!!名前がない隊士が死ぬのとは訳が違う!死なないでえ!またタコ男も含めた真選組のギャグが見たかったァ!これだけ長い小説だからこそ読者である私達もオリキャラへの愛が生まれて、死んだ時の悲しさが増すんだろうなって思ったよ。続編楽しみにしてる! (2018年3月6日 17時) (レス) id: 042eec4381 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:堕天使 | 作成日時:2018年2月10日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。