3189話 ページ4
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彼の話に矛盾を感じているのは、果たして私だけなのか。このタイミングで沖田にそう尋ねても、マイナスにしか働かないだろうから心にしまっておく。だから思う存分、考えてやろう。
もしかしたらただ単に私の勘違いだった、なんて事だってある。でも、一度頭の中を整理しておかないとパンクしてしまいそうなので、年末の大掃除に参加出来なかった分、働こう。
「また何か分かったら伝えに来ます」
そう言って、現れた時の慌ただしさは見当たらない彼は小さく会釈をして去って行った。まるで、真実を追求しようと推理をする探偵から逃げる犯人のように感じた。
恐らく近藤さんは、後部座席に座っていた筈だ。
余程の事が無い限り、上司は助手席に座らない。普段は上司らしからぬ行為に及んでいるものの、部下からは慕われている。米澤くんが相当な生意気坊主であったら話は別だが、大体先に戸を開けて後ろへ招くであろう。
それを逆手に取る可能性も充分有り得ると、私は思う。
沖田「・・・・・・Aさん」
「・・・ん?」
顎に手を当てて、完璧に足でまといとなっている自分自身に出来る事は無いのかと頭を働かせる私を見て、沖田は声を発する。
沖田「・・・・・・近藤さんが、撃たれたこんな状況で、あんま言いたくねェんですけど、」
彼が言わんとしている事は、理解した。
今までの経験上、次に狙われるのは私だ。私では無かった場合、犯人は本当にただただ混乱を起こしたいだけ。混乱に陥る真選組を見たい理由があるのだ。
「大丈夫だよ」
きっと、脳内に浮かんでいる二つの選択肢のどちらを選んでも、激しい後悔に襲われる確率は五分と五分。それを見越して「大丈夫だよ」ともう一度繰り返した。
「いち早く、報告してよ?」
「はい」目の前に居る部下の珍しく素直な返事に、緩みそうになった口角。とっさに隠して、病院へと走る沖田の背中を見つめた。
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堕天使(プロフ) - 今回のシリアスは、話が話なだけに皆様の反応が心配で心配で、コメントを見るたびに励まされて頑張ろうってなって、なのに更新しないでコメ返もしないで放置して…反省します。これからもハラハラドキドキさせられるように、頑張ります!!!!よろしくお願いします!! (2018年3月19日 14時) (レス) id: 725743dc16 (このIDを非表示/違反報告)
堕天使(プロフ) - 要約するとひたすらありがとうでいっぱいです。ありがとうございます。コメントが来る度にちらちら見てました(何故返さない)リクエスト、了解致しました、それこそ遅くなりそうですが気長にお待ちください…(頭抱え) (2018年3月19日 14時) (レス) id: 725743dc16 (このIDを非表示/違反報告)
堕天使(プロフ) - 皆様、たくさんのコメントありがとうございます!そして、返信するのが遅すぎて一括でやるはめになってしまって申し訳ございません。一人一人返したいのは山々なのですが、連続で操作すると占ツク自体が重くなりそうなので今回は気持ちだけお家に訪問してるつもりで… (2018年3月19日 14時) (レス) id: 725743dc16 (このIDを非表示/違反報告)
千鳥(プロフ) - 文字数ギリギリの長文失礼しました。 (2018年3月6日 17時) (レス) id: 042eec4381 (このIDを非表示/違反報告)
千鳥(プロフ) - タコおおお!!!名前がない隊士が死ぬのとは訳が違う!死なないでえ!またタコ男も含めた真選組のギャグが見たかったァ!これだけ長い小説だからこそ読者である私達もオリキャラへの愛が生まれて、死んだ時の悲しさが増すんだろうなって思ったよ。続編楽しみにしてる! (2018年3月6日 17時) (レス) id: 042eec4381 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:堕天使 | 作成日時:2018年2月10日 17時