そっくりさんいらっしゃい

第五話:イケメンと可愛い物は絵になる ページ7

銀時「準備出来た？Aちゃん」


A「ちゃん付けで呼ぶなって言ってんだろ...出来た」


銀時「じゃあ出るぞ〜」


新八「はい」


A「あぁ」


銀時と新八はスクーターへ、Aは高級車へと向かった。


銀時「ちょっと待って」


A「何だァ？」


新八「おかしくないですか！？全員で行くのに何であんただけ車で行くんですか！しかも高級車ってなに！？」


銀時「お前いつの間に車買ったんだよ！？」


A「昨日」


銀時「昨日！？」


A「つい目に入ったから」


新八「そんなコンビニで新作お菓子発見したから買ったみたいなノリで高級車買わないでくださいよ！」


A「俺が何を買おうと俺の勝手だ」


銀時「そうだけど！そうだけど...！」


A「もしかして運転したいのか？だったらお前がしろ」


そう言って鍵を投げると銀時は慌てて叫びながらAが投げた鍵を丁寧に受け取った。


銀時「ぎゃああああ！！危ねぇよ！高級車だぞ！？もっと丁寧に扱えよ！」


A「俺の物をどう扱おうが俺の勝手だ」


新八「銀さん銀さん」


正論しか言わないAにげんなりしている銀時は新八に呼ばれコソコソと二人で話し始めた。


銀時「何だ、新八」


新八「Aさんって結構横暴ですか...？」


銀時「気付いたかね、新八君」


新八「いや、誰ですか」


いつの間に出したのか巫山戯た眼鏡を掛けている銀時に若干イラッとしながらもAの方をチラチラと見ながら話す新八に安心させるように肩を叩く。


銀時「まぁ、あいつはあんなんだけど根は良い奴だから...多分」


新八「そこは断言してくださいよ！！逆に不安になるじゃないですか！」


銀時「まぁまぁ、落ち着きなさいよ新八君。人間落ち着きが大事よ？それにほら、見てみなさいよ、あんな猫可愛がってる子が悪い奴な訳ないでしょーが」


新八「いや、そうですけど...って、猫？」


銀時「そうそう、猫。ん？猫？」


言った本人の銀時も意味が分からない表情で後ろを振り返ると黒猫と戯れるAの姿があった。


A「よーしよし。源三、今日は煮干しだぞ」


源三「にゃー」


新八「(源三！？見た目に反して名前が渋い！)」


銀時「(あの邪気の無い優しい笑み何！？俺だってあんな顔見たことないのに！)」


固まっている二人を放置して猫と別れを告げたAは助手席に乗り込み窓から顔を出した。


「よし、行くぞ」


銀時·新八「((何もよしじゃないんですけど！？))」

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