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第19話 ページ23

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「それはそうとその怪物、いつまで食い続けるつもりスカ!!ああ!!それは食っちゃだめッスよ!!」

「え?」


再び振り向けば、艦の支柱ともいえる竜骨と思わしき柱に噛り付く鳥。
否、鳥と呼んでよいものか。きりっとした面立ちで必死に食いちぎろうとする様はどう見ても怪物…ごほんごほん。



「ぎゃあああ、エナガさんんんんん?!なにしてるの?!!だめだめだめだめ」

「全然飼いならせてないじゃないスカ!!!どうにかしろよ、飼い主!!!」

「それがどうにもできないからこうなってるんじゃない!!」

「逆ギレ?え?まさかの逆切れ??」


やんややんやと言い合う女性陣に構うことなく食い進める超生物。
大事な生命線を失い、嫌な音が艦内へと響くと、ドゴォンなんていう轟音と共にまた子を抱え飛びのく絃。

両腕でどうにか彼女を抱き上げ、崩れてくる天井から身を守ったまでは良かったが。どうにもおかしい。支柱が壊れたといえど、折れた柱は一本。
そう簡単に崩れるはずがないのだ。


そんな宙にて舞う無重力の中、彼女たちは血に飢えた兎と視線を通わす。


「あれ?こんなところで出会うとは。奇遇だねぇ、御姉さん」

「おーい、団長。どう責任とるんだ。このすっとこどっこい。団長のお転婆で高杉の艦がぶっ壊れちまったじゃねぇか」

「おいおい、阿伏兎。水をさすなよ。久しぶりにやり合える相手と会えたんだから。楽しませてよ」

「こりゃだめだ。お前ら諦めろ。うちの団長は猪も真っ青の猪突猛進男だ」

「傷つくなぁ、全く」


「「お前らのせいか!!!!」」



バキバキいう咀嚼音と共に、さらに艦は高度を下げ墜落は必至。
こうもなれば上に逃れるも、このままここへいるのも結果は変わらないだろうが。


「また子、今から上に貴女を投げる。だからせめて、貴方だけでも助かりなさい。私のことは気にしなくていいわ」

「当然だ、このアマ!!さっさと投げろ()」

「ひどい、ちょっと傷ついたぁ…っと、冗談も言ってられないわね」

「おいおい、俺を差し置いて話しを進めるなんて」

「ちょっと、借りるわよ。貴方の顔面…っと、ドラァァァア」


驚くべきか。
また子を抱えた絃は、瓦礫を踏切にし神威の顔面を踏みつけその反動と共に上空へと彼女を投げて見せる。
そのなんとも無茶苦茶な戦いぶりはどこかあのちゃらんぽらんを想像させるわけだが。


「おいおいまじかよ。団長、大丈夫かー?」

「あはは、やっぱり面白い。これだよ、これ」

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作者名:湊/松雪 x他1人 | 作者ホームページ:なし。  
作成日時:2021年1月22日 10時

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