第7話 ページ11
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「どうしてこうなった」
「どうしたもこうしたも俺が聞きたいわ!!!おい、万事屋。お前、
「そういうお前こそ、こいつとどういう関係だ。コノヤロー」
「土方ぁ。わかるぅ?王子様ってのは本当に存在すんのぉ」
「お前、飲んだのか…また飲まれたのか…」
「だぁかぁらぁ、王子様の定義聞いてんの。わかるー?ほら、早く答えろって言ってんだよ」
現在の状況。
それ即ち混沌。先程までの形勢はまるで正反対。
酔っていた男の酔いが覚めたと思えば、次は面倒を見ていた方が酔い始めるなんていう攻守交替状態。
この鬼の副長がこの場にこうして居合わせている理由もまた、その延長にあるに違いないわけだが、なんといっても女の両脇に男2人というこの構図。
加えて、現在、理不尽にもその副長の喉元に刃が突き付けられているなんていうわけのわからん状況の中、一言でも答えを間違えれば生命にも関わるのではないかというところだろうか。
「そもそもなに、お宅。暇ですか。女に呼ばれれば簡単に馳せ参じちゃうわけ。どうなのよ、その辺」
「好きで来てるわけねぇだろうが!!こっちだって
「二人とも仲良くない?攘夷志士と現役警察が仲良しとかウケるんだけどー、あははは」
ばしばしと机を叩き笑い転げる女に据わった視線を送る2人の男。
この女、アルコールには滅法弱いものの飲むことをやめられない星の元生まれてしまったのか。
こうして酔う度、思考がメルヘンかつ笑いの沸点が下がりまくる特性を持つわけだが、これがどうにもタチが悪い。
「んで、土方。答えでたー?前も教えてあげたでしょ」
「知らねぇよ!お前それ本当に俺だったのか?」
「だからぁ王子様って言ったら、まず綺麗なブロンドのさらさら髪でしょ。それから優しい声でぇ。白馬に乗ってて…」
と、途中まで饒舌に語ったと思えば銀時と視線が合ったのか一瞬黙り込むものだから勘違いしそうになる。
「な、なんだよ。言っとくが、俺ぁ、お前みたいな女…」
「つか銀時って、王子様像から一番かけ離れてるよね。ウケるんだけど…はぁ、笑いすぎてお腹痛い、くくくっ」
「もうこいつ最悪なんだけど!!誰だよ、こいつにアルコール与えた奴!!」
「誰がどうとか知らんが、止められなかったお前にも非があんだろ」
「それ言ったら終わりじゃない?土方くん」
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