第五訓 切り替えの上手さは人生を左右する。 ページ5
...もちろん、それに黙ったままの銀時な訳がない。
持ち上げようとしていたソファを床に叩きつけ、思いっきり怒鳴った。
「んだと!?てめ、俺がどんだけパチンコで苦労してるか知らねーだろ!パチンコはな、運命の女神が機械か俺に微笑むかのどっちかに掛かってんだよ!!」
『んなこと知りたくもねーわ!!パチンコで苦労?まるっきりまるでダメなおっさんじゃねーか!マダオだろーが!』
「ちょっと!!また喧嘩するつもりですか!?仲裁する僕の身にもなってよ!!」
新八が金切り声を上げたその時。
万事屋の扉が、ガララララ、と音を立てて開かれた。
「ただいまー。」
「「『........!!』」」
そんな、可愛らしい少女の声がする。
うわ、このタイミングで神楽ちゃん帰って来るか.....!
アイタタタタ、と新八が頭を抱える。
(確かに神楽ちゃんも僕と同じようにこの二人の紛争には慣れているけど、...あの子、自分からその紛争に身投げするからな...!)
それだけは避けたい。...神楽が入れば、そこはもう口喧嘩どころではない。
「混沌」という名の「カオス」である。
さて、今度はどんな仲裁の仕方をする?
...さっきみたいに何も考えずに突っ走ったら、今目の前で睨み合いを続けてるこの二人にボコボコにされること決定だよ...!
しかし、新八の考えの斜め上を行くのがこの二人であった。
『あ、お帰り神楽ー。昼飯出来てるけど、どうする?このまま妙ちゃん家行ってもいいけど?』
「随分と遅かったじゃねーか。駄菓子屋行くのにどんだけ時間かかってんだ?銀さん心配しちゃったじゃんかよ。」
(今までのどす黒いオーラどこ行ったァァァァ!?)
二人とも、神楽に笑顔を振りまいている。
...分からない。この二人の性格と切り替えの速さについていけない...!!
だがまァ取りあえず、新八も玄関に向かった。
「お帰り神楽ちゃん、お目当ての酢昆布は見つかった?」
「うん!たんまり買ってきたから、しばらくは行かなくてよさようネ。
...あそうそう、駄菓子屋行ってからしばらく公園で遊んでたんだけど。...したら、ほら。」
「「『...ん?』」」
...神楽の背後から、顔を出したのは______。
「久しぶりじゃのう金時!A!今までずっと宇宙にいたきに、会いたかったぜよ!」
「...いきなり押しかけてすまん。」
「「『なんでお前らだァァァァァ!?』」」
...誰であろう、坂本辰馬と陸奥だった。
第六訓 突然の珍客二人。→←第三訓 終わってもまた始まるのが兄妹喧嘩ってものです。
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作者名:出雲 | 作成日時:2018年1月9日 15時