第三訓 終わってもまた始まるのが兄妹喧嘩ってものです。 ページ4
「はい、銀さんはさっさとソファの位置を元に戻して！Aさんは箒でそことあそこを掃いて下さいよ？まったく、くだらない喧嘩で元々汚い部屋、もっと汚れちゃったじゃないですか！...ほら、ダラダラしてないで手ェ動かす！！」
「『へいへ〜い......。』」
こいつは俺らのかーちゃんですか、バカヤロー...、と嘯く銀時を尻目に、Aは箒を動かす。
........。
我ながら、きったねー部屋だ、とAは思う。
月数人の割合にしろ、今までよく客が来てたもんだな...、というレベル。
しかし。
私は自分の部屋は片付けてる。...悪いのは兄貴だ。「ジャンプを読んだら棚にしまいましょーね。」と何回言っても聞かないもんだから、私も愛想を尽かしただけであって、新八は未だに兄貴をマダオから厚生させようと頑張っている。
兄貴がマダオから復活したら、地球滅びかねないけどね。
頑張れー。新八ー。
....と、それとこれとは別問題だ。
喧嘩の原因。
〈生クリーム＆イチゴチョコ特盛♪ペロちゃんのとっておきソフトクリーム♡〉を兄貴が食べたとかどうとかは...。
『なーんか、どうでもよくなっちゃったねェ、兄貴？』
「だなァ。どっかのダメガネの乱入のせいで、雰囲気丸潰れだしよ。せっかく体動かせると思ったのによ。久しぶりに木刀振り回せると思ったのによ。」
唇を尖らせ、銀時が言う。
...同時に、割烹着姿の新八をジトッ、と見てやった。
新八の額に、青筋が浮かぶ。
「え、何その視線？悪いの僕なんですか。それおかしくないですか。お登勢さんたちにも迷惑かかるかなー、もうそろ帰って来る神楽ちゃんに悪影響かなー、とか考えに考え抜いた末、拳と足で大ダメージ食らった僕が悪いことになってんですか！！」
「だってよー、この頃仕事も来ないしよー、銀さん退屈なんだって。...な、A？」
『そうそう、私の事も考えてあげなさい新八君。年がら年中仕事を妹に押し付けてパチンコ屋に入り浸ってるどっかのバカとは違って、私は退屈じゃないのだよ。...つまりさっさと金の入りが良い仕事探して来い、クソ兄貴。』
ドブネズミでも見るかのような目で、Aが銀時にそう言った。
＿＿＿＿＿＿一瞬の、静寂が訪れる。
・
第五訓 切り替えの上手さは人生を左右する。→←第二訓 慣れ、ってやっぱ大事よ？
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作者名：出雲 | 作成日時：2018年1月9日 15時
