【黒子】赤司家の妹がグレました。

No.16「じゃー私もうテストとか受けないです。なら補修も受けなくて済むし。」 ページ18

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「A、A！」

「何ー、マーコ」

「さっき担任が呼んでたよ、職員室に来いって」

「なーにA、また何かやらかしたの〜？」

「何かって、何もしてないよ(笑)」

「うそつけ〜。この間服装チェックで呼び出しされてたじゃん」

「それはあんたもでしょ、ちい」




最悪だ。なんかもう最近私の口癖が“最悪”になってないか？と思うほど最悪だ。

はあ。もうなに。本当は行きたくないけど行かなかったら校内放送で呼ばれる。
そうされてみろ。赤司と呼ばれた時点であのウジ虫(兄)が来るに決まっている。


重々しく、足を職員室まで運ぶ





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「…赤司、お前はなあ、」


ほらね、始まった。もう怒りを通り越して呆れ顔で私に言葉を投げる



「せめて、名前くらい書いてくれないか。柳瀬も飯田も長谷川も、奥沢も芳賀も
回答はことごとく解離しているがきちんと書いているんだ」


…回答？ああ、この間のテストのことか



「どうしてお前はいつも白紙なんだ？確にFクラスは成績がとてもではないが良いと言え難い。
だがどんなやつでも名前くらいはきちんと書いているんだ。お前は2年の頃からずっと白紙。
何かしら書いてくれないと…」


こちらが困るんだよ、と目の前のオヤジは言う。


こっちからすればテストを出されるこちらが困るんだよ。

だって書いたところであのミジンコ(兄)が来るのは百も承知。あいつが来て何を言われるかなんて想像すらしたくない



「赤司、黙ってないで何か言ったらどうだ。お前は補修にも来ない。
じゃあもう補修には来なくていい。だからせめて一文字は書け。というかそれ以前に筆記用具をもってこい」


「…」


なんでこのオヤジ知ってんの。気味が悪い。死ねばいいのに。どいつもこいつも。





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「…お兄さんとお父様が悲しむぞ」




ビリッ


オヤジが言葉を発するのと同時に、音が遅れて響く。




「あ、赤司！！お前、何を…！」



ビリ、ビリ、

はらりはらりと散ってくテストの答案用紙だったものたち




「じゃー私もうテストとか受けないです。なら補修も受けなくて済むし。」

「お前なあ、何度も言うが、」


「先生。


今度赤司征十郎の名前出したら、この学校にいさせられなくしますよ」





我ながら性格の悪い女だ。赤司の名を好都合で使うとは。

まあこれでこのオヤジが私に何かを言ってくることは今後二度とないだろう。


血筋とは怖いものだ。



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