三十四話 増援 ページ36
外した、と聞くと大体は身体に当たらないというものだろうが、紅玉の外すは違った。
確実に頭を狙うが、火縄の命中率は乏しい。
太ももに命中し、忍者装束が黒く滲んだ。
激痛に目を細めながら刃を振り、自身を守ることしかできない。
「雑魚が」
苦無を振る腕が上がったのを見透かし、脇から掻っ切った。
地面に倒れ込み、首に容赦なく刀を刺す。首からは血が大量に溢れ出し、返り血が出ないようにゆっくりと引き抜いた。
「こいつは影武者だな…。タソガレドキはもっと強いだろ」
その言葉は、決して独り言ではない。
刹那、後ろの茂みから、棒手裏剣が飛んできた。
「雑炊の匂いが異常だな」
「それはどうも」
やっと鼓動が高まった。
至近距離になるまで、鴉が鳴くよりも速い。
懐から取り出したのは小さい鉄砲。いきなり発砲したが、銃口の位置を見られたのか直後によけられた。
反撃と言わんばかりに、回し蹴りを紅玉の腹に直撃させる。
足を掴み、地面に叩きつけ刀で首を狙い切りつけたが避けられた。
土に刀が刺さり、隙を付いて紅玉の手首を蹴り、手から刀が離れた。
彼は危険を感じ後ろへと飛んだ。
「血霧衆も大したことないな」
明らかに押されている。
二本目の刀、短刀を取り出し構えた。
身体が軽くなったか。動きが俊敏になり、目が慣れずにタソガレドキの忍者はあっけにとられ何もできなかった。
首、肩、足、指の関節一つ分の切り口を付けていき、徐々に弱らせていく。
紅玉は怒っている？
「形勢逆転だな」
膝から崩れ落ちて、息が荒くなった同じ背丈の忍び。
耐えることができない程の毒が、少しずつ回っている。
「強いだけの毒じゃない。体制があるほど、よく回るように調整している」
とどめを刺そうとした。
しかし、どこからともなく指笛が二回。
ピーッ、ピーッと鳴った。
蒼玉の呼び出しだ。位置は勿論分かる。
表情を変えずに、木に縄を張り巡らせ忍者を縛り付ける。
懐の中身を全て取り、足袋の仕込み刃の有無も確認し。
言葉一つ残さずに、木を伝って紅玉は去った。
Aはタソガレドキの下忍を殺さずに気絶させ、縄で縛りあげていた。
「弱いものを殺して死ぬより、強い奴と戦った方がよっぽど良い」
手裏剣が頭上に浴びせられる。
頬に刺さりそうになるが、指でつまんで止めた。
「危な…！」
止められたのは偶然か、それとも血霧衆の血が流れているからか。
立花は疑問を残し、唖然としている彼女の立っている場へと姿を現した。
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みこち(プロフ) - 銀鬼のサブさん» 有り難う御座います、因みに今は、ブリーチと妖怪ウオッチのクロスオーバーを書いています。まだ途中ですが、書きながら笑ってます(思い出して) (2021年5月28日 21時) (
レス) id: e0b3c2b120 (このIDを非表示/違反報告)
みこち(プロフ) - 初めまして。みこちと申します。素晴らしい作品です。私も兵庫水軍と鬼滅刃や犬夜叉とのクロスオーバー書いてますが、大変魅力ある夢主です。楽しみにしてます！出来ましたら是非お越し下さい。 (2021年5月13日 9時) (レス) id: e0b3c2b120 (このIDを非表示/違反報告)
輝羽(プロフ) - 見ていると話に見入ってしまいました。友人にも勧めてみたらその人もこの物語や銀鬼さんのファンになっていました。(私も) 応援しています！ (2021年4月5日 17時) (レス) id: df4ce87693 (このIDを非表示/違反報告)
星波 きらら(プロフ) - ^_^さん» その言い方は無いと思います。主は文才アピールなんてしなくても滲み出る文才があると思いますよ。貴方のせいで占ツクの民度が下がるんです。嫌なら見るな。それしか言えません。モラルを守ってネットを使いましょう。 (2021年2月15日 23時) (レス) id: 0560786132 (このIDを非表示/違反報告)
凛／月影／霖(プロフ) - 新作おめでとうございます！江戸時代からのトリップなんですね！どんな風にことが進むのか楽しみです！更新頑張って下さい！！ (2021年1月1日 23時) (レス) id: 0b140bf78a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：銀鬼 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ginki/
作成日時：2021年1月1日 18時
