三十二話 戦 ページ34
遂に来た。楽しくもない人殺し。
復讐の為って言っても、もう意味をなさないのだから。
江戸には帰ってもどうせ処刑。
帰らなくていい、此処には私を求めてくれる人がいる。
やっと一人の人間として、生きていける。
「暗殺班、目的地に到着しました。我々も行きましょう」
二人は忍者服、私はいつものように侍の袴を着てそれぞれ武器を持った。
使い慣れた鉄拳と、教わった短刀。
二人は何を持っているのかは知らない、特に紅玉。
蒼玉に続いて、夜道を走り出す。月が、とても綺麗だ。
硝子玉のような澄んだ瞳が、私を導いてくれる。
着いた。
木の上でそれぞれが待機していると、読みが当たり足音と息の音を消した者たちが現れる。
月光が、雲の隙間から現れ、闇に生きる者たちの姿を照らした。
合図になり、暗殺犯の忍び達は、武器を持ち一斉に動き出す。
私も短刀を構えながら、木の上で蒼玉と目を合わせ頷き合った。
木から飛び降りる。
学園側は援軍を要請したのか、茶色の忍者装束の見ない忍者と刀を交えた。
「誰？」
なんか気の弱そうな人。
刀で肩を切られる。着物も破けた。
付け焼刃の剣術じゃ、太刀打ちできないのは当たり前。
手裏剣を避けたのと同時に肩を掴まれ。地面に押し倒された。
「あ」
油断した隙に、と思ったが油断など見せていない。
胴体を足で挟まれて身動きが取れない、刀を突きつけられた。
とてもまずい。
蒼玉と紅玉も、戦っている。
これは戦だ。助けは求めない、これでも頭領だ。
「あなたが頭領ですか？」
私は黙って、地面の草を掴む。
「言わないのなら、拷問して吐かせます」
「……なんてね。これで勝てると思ったのか？」
忍者の顔に自身の顔を寄せた。上半身なら動かせる。
接吻しそうなほど近い距離に驚いたのか、一瞬のけぞった。
瞬時に腹を殴り、気絶させる。
心臓が痛くても、殺さなければいい。
二人には言えなかった、私の決断。
殺さずとも、壊さずとも、なにかがあるんだ。今はまだ見つからない。
二人が私の事を家族だと言ってくれた。
守られる側だが、何時しかは守る存在となりたいんだ。
生きるための理由。それだけじゃあいけないか？
気絶した忍者の頭巾を取る。
見ない顔だ。忍者装束の色も学園の者ではない。
教師にしても、弱い。
「誰？」
「友人の頼みでねえ、援助に来たんだよ」
気配がな―――
振り返るや否や、同じように腹を蹴り飛ばされた。
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みこち(プロフ) - 銀鬼のサブさん» 有り難う御座います、因みに今は、ブリーチと妖怪ウオッチのクロスオーバーを書いています。まだ途中ですが、書きながら笑ってます(思い出して) (2021年5月28日 21時) (
レス) id: e0b3c2b120 (このIDを非表示/違反報告)
みこち(プロフ) - 初めまして。みこちと申します。素晴らしい作品です。私も兵庫水軍と鬼滅刃や犬夜叉とのクロスオーバー書いてますが、大変魅力ある夢主です。楽しみにしてます！出来ましたら是非お越し下さい。 (2021年5月13日 9時) (レス) id: e0b3c2b120 (このIDを非表示/違反報告)
輝羽(プロフ) - 見ていると話に見入ってしまいました。友人にも勧めてみたらその人もこの物語や銀鬼さんのファンになっていました。(私も) 応援しています！ (2021年4月5日 17時) (レス) id: df4ce87693 (このIDを非表示/違反報告)
星波 きらら(プロフ) - ^_^さん» その言い方は無いと思います。主は文才アピールなんてしなくても滲み出る文才があると思いますよ。貴方のせいで占ツクの民度が下がるんです。嫌なら見るな。それしか言えません。モラルを守ってネットを使いましょう。 (2021年2月15日 23時) (レス) id: 0560786132 (このIDを非表示/違反報告)
凛／月影／霖(プロフ) - 新作おめでとうございます！江戸時代からのトリップなんですね！どんな風にことが進むのか楽しみです！更新頑張って下さい！！ (2021年1月1日 23時) (レス) id: 0b140bf78a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：銀鬼 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ginki/
作成日時：2021年1月1日 18時
