【歌い手】出会いは偶然…だったよね？【浦島坂田船】

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我が家のルールとして受験が終わるまでは基本、母親にスマホを預けることになっている。
触っていいのは寝る前の二時間だけ。
その為、家に帰ってからスマホを開くとツ○ッターやL○NEなどの通知がいっぱい来ている。

L○NEを開いてみると、｢彼ら｣とのグループに通知が入っていた。



あの日、彼らが浦島坂田船だと分かって結構悩んでいた。
とりあえず渉くんに言われたら通りに家に着いた連絡を入れ、その後はなるべく連絡を取らないようにしようと思っていた。

しかしあれからほぼ毎日、グループや個人であちらから連絡が入ってきている。
その為、必然的に彼らと毎日会話をしていることになり、なるべく連絡を取らないということは出来なかった。
そうして毎日連絡をしていると、彼らを避けようとしている自分がだんだん馬鹿らしくなってきたので、最近はあまり気にせずに普通に会話をするようになった。
もちろん、他の人達に知られないように気をつけながら。



グループのトーク画面を開くと、久しぶりに電話で話さないかという内容が表示されていた。
どうやら全員が久しぶりに時間が空いたらしく、暇だから電話をしようということになったみたいだ。

渉Aも時間が空いてるなら連絡してくれ。ただ無理はするなよ。

渉くんの気遣いに思わず笑みがこぼれる。
他の三人も渉くんに続いて私を気遣う言葉を送信してくれていた。

まだまだ寝るつもりはなかったし、折角声をかけてくれたのだから参加しようと思い、指を動かす。

A一時間だけで良かったら電話できるよ。久しぶりに話そう!

送信すると、すぐに電話がかかってきて思わず驚いて｢わっ！｣と声を出してしまった。
慌てて電話にでると、｢もしもし？｣という声が聞こえてきた。

この声は…


『優くん？』

さ｢お、A！久しぶり！元気してた？｣

『ふふっ。うん、元気だよ。体育祭の準備が忙しくてちょっと疲れたけどね。』


優くんの元気そうな声をきいて、嬉しく思いながら返事をする。
ちなみに優くんと千歳くんの私に対する呼び方はいつの間にか呼び捨てになっていた。
ちょっと照れるけど、嫌ではないので指摘はせずにそのままにしておいた。

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