【銀魂】愛され少女は最強だった！？

27* 口が…滑りました ページ28

総「おい、厠どこだ」

「………この廊下行ったすぐ左」

総「了解」


靴を脱いで早々、キョロキョロと辺りを見回してそう言った沖田。

ドキドキしながら嘘八百を言う。…本当は自分も厠の場所は知らない。


「だ…大丈夫だよね…？ 魔法発動してよね…」


彼女の願いはどうやら届いたようで、ものの5分で、長い廊下から栗毛が顔を出した。


総「それにしても何でこんなにでけェんだこの屋敷は。本当にテメェの家なんですかィ？」

「本当にね。もっと考えて作れっつーの」

総「…A」

「んー？」


総「テメェ何か隠してんだろ」


どくりと波打った心臓。

――何故バレた？ …いやいや、まだバレたとは…。


「……うん。やっぱり総悟にはバレたかあ」

総「……」

「私ね、貧乏だって言ったけど…本当は違うの
外国の、めちゃくちゃ金持ちなんだあ。てへ」


彼女が舌を出して自身の頭をこつん、と小突く。

総悟の反応を伺うと、全くの無表情だったのでこの仕草は今後やめておこうと決意した。


総「俺が聞きてェのはそんなんじゃねェんでィ
俺にそんな嘘聞くと思ってんですかィ？」

「っえ、」

総「テメェが言うまで…地獄を見せてやりやす」

「えっうひゃあっ…！！ やめっあははははっ…！」


黒い顔になって、いきなり彼女の脇をくすぐりだした総悟。

くすぐりにめっぽう弱いAは、思わず倒れ込んだ。


「待って、！ お願いっ…やめっあははははははっ！」

総「ホレホレ言わなくていいんですかィ？」


「っ……！

魔法、使いなの……っ！！！」



――総悟の手が、ピタリと止んだ。

大きくため息をついて、もう一度総悟の顔を見た。


「私ね、魔法が…使えるの」

総「……何でェ、それ」

「この世界でいうええっと……
簡単にいうとね、カラクリだよ」

総「カラクリだと？ このでけェ家も？」

「この家だけじゃない。
真選組に行ってバズーカ受けた時も、総悟とやりあって受けた時の傷も…ほら」

総「…！」


そう言って、服を捲って怪我した腕の包帯を取る。
そこには、かすり傷一つ残っていなくて。


総「……」

「ごめんね、黙ってて…でも、これを言ったら、神様に怒られるから…」

総「……神様？」

「……あっ」


思わず出てしまったその名前。

口が、滑りました。

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