【銀魂】愛され少女は最強だった！？

26* 初めてのお客です ページ27

「昨日ぶりだね」

総「オウ」

「何してたの？」

総「巡回でさァ。お巡りは忙しいんでねェ」

「お口のその串は何かしら」


二つの紙袋を持ってくれた知人に、Aがそう言うとこっちも見ずに返される。

この男、口に串を咥えている。恐らく団子だろう。


総「てかお前こそ何してたんでィ。家出か？」

「服だよ。友達に付き合って貰ってたんだけど途中で別れて」

総「しゃーねェ、特別大出血でてめェの家まで運んでやらァ」

「総悟さっきまで巡回って言ってなかったけ」

総「俺の仕事は俺の手で変えれるんでさァ。
市民が困ってたら助けるのは当たり前でィ」

「都合のいい事言いやがって。許す」

総「許すのかよ」


咥えていた串を地面に吐き捨てて歩き出す。
慌ててAが近くのゴミ箱に捨て直す。

しっかりするんだ、警察。


総「…重てェのか、それ」

「全然平気だよ」

総「嘘つけさっきから持ち変え続けてんじゃねぇか」

「…っえ、あ、」

総「トロい亀に荷物持たせてると日が暮れちまうぜ」

「…おい、トロい亀って私の事か」

総「てめェ以外に誰がいるってんでィ雌豚」

「うん悪口良いからせめて人間にして」

総「人外だてめェは」


……結局、彼女の抱えていた荷物は全て総悟の手に吸い込まれていった。
せめて何かしようとAが周りをうろちょろしていると、凄い目で見られたので大人しくなっていた。


「ここの角左」

総「左って…ここには何も、」

「私の家」

総「……」

「やめて！！ ほんとだよ！」


総悟が彼女の家を見て絶句する。

昨日は一人暮らしと言っていたので、馬鹿みたいな冗談だと、懐から手錠を出して彼女の手にかけた。


総「しかしすげェ家でィ。庭に屯所の道場すっぽり入りそうでさァ」

「私もこの広さにはびっくりしてる」

総「…何でてめェが驚くんでィ。変な奴だな」

「…し、失礼なっ」


まさか、神様からもらったとは言えない。
何とかごまかし、総悟を玄関まで案内した。


「どうもありがとう。それじゃ、またね」

総「…！ …おい！」

「…？ なに？」


彼女が靴を脱ぎ、段を上がって総悟に背を向ける。
慌ててその手を取った総悟。

彼女が振り向いた。…目を幾度か泳がせて、総悟が家に上がらせろ、と言った。


「えっ…でも今何もないんだけど」

総「ちょっとここでサボらせろィ」

「はあ？」


彼女が呆れ顔を見せると、その手に持っていた荷物をまた総悟にとられ。


仕方なく、家に上がらせる事にした。

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