検索窓
今日:7 hit、昨日:7 hit、合計:316,019 hit

23* 手を引かれます ページ24

「あの、高杉さんはどうしてここに、」

高「シンスケ」

「…え、」

高「晋助って、呼べよ」

「………………………………………し、んすけ」

高「長ェよ。何秒待たせるんだ」


質問を掛けようと、Aが彼の名前を呼べば
突然、そんな事を言われて。

否定するのが怖かったので、迷いながらも
名前を呼ぶ。嬉しかったのか、高杉が笑った。


高「さっきも言ったろ、暇潰ししてた、ってよォ。
…で、お前こそ何してたんだ」

「あ、えっと…走ってたら、ここまで、」

高「クククッ…もっとマシな嘘つけよ」

「っ!」


原作を見ていた限り、彼女の中では
高杉晋助という人物は危険な人物だと理解していた。

…しかし、どうだろう。
隣に並んで歩き、手を繋いで、笑っている。

これが極悪な攘夷志士に見えるだろうか。

――こんなに、優しいのに。


「……」

高「ア? 見てんじゃねェよ」

「すみません」

高「何笑ってやがんだ」

「えへへ、」


何だか不思議な感覚に襲われて、しばらく
高杉の顔を見上げ、見つめる。
すると、気付いた彼が見下ろして
Aの額をコツン、と拳で軽く小突いた。

…いつの間にか、景色は少しずつ変わってきていて。


高「…それにしても、何でお前ェはそんな格好を、」

「Aです、私の名前。
――ちゃんと、名前で呼んでください」

高「……テメェいい度胸じゃねェか」


さっき、高杉に言われたように、そう反抗する。
…初めて見る女のタイプに、高杉がニヤリと笑った。


高「…で、Aよォ。テメェの格好だ」

「これ、親戚に貰ったんです。可愛いでしょ?」

高「…だが、この江戸には合わねェぜ」

「でも、私これしか持ってないんです」

高「……」


クルクルと回って高杉に全身見てもらう。

ひらひらと舞うスカートに目が行ったが、
彼女の一言で我に返って無言になった。


「…? 晋助さん?」

高「…………予定が変わった。俺の船へ行く」

「えっ!」

高「いいから着いて来い」


突如だんまりになった高杉を下から覗き込むと
いきなり握られていた手をぐい、と引っ張られて
わけが分からないまま連れて行かれる。



――そして、見えてきたのは
大きな大きな黒い船。

24* また子に会いました→←22* 過激派に出会います



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (189 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
414人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 愛され , 微ギャグ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

おそらまめ@個人経営(プロフ) - 若葉さん» ありがとうございます!沖田くんは神の上ですね!(は?) (2020年3月15日 1時) (レス) id: a071833898 (このIDを非表示/違反報告)
若葉 - この作品は神です! 沖田くんは神神です!(?) (2020年3月14日 23時) (レス) id: 4dface175c (このIDを非表示/違反報告)
おそらまめ@個人経営(プロフ) - Dsloveさん» 歩きスマホしちゃってますね。すいません、ご指摘ありがとうございます、、、 (2018年9月11日 23時) (レス) id: 0b0bec3b96 (このIDを非表示/違反報告)
Dslove(プロフ) - 歩きスマホですか? (2018年9月11日 22時) (携帯から) (レス) id: 998ae028aa (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 凄く気に入った作品で大好きですもし今後他の作品を作る予定があったら銀魂の銀時か高杉の姉か妹がワールドトリガーかアニメKか転生したらスライムだった件の世界にトリップか転生した作品が読んでみたいです説明が下手だったらすみませんこれからも更新頑張って下さい (2017年10月29日 12時) (レス) id: 14f5017be6 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:おそらまめ | 作成日時:2016年8月31日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。