-初恋は､１０年の時を越えて-one

１つの気掛かり ページ17

私は思わず､ミーティング室から飛び出した｡


後ろのミーティング室からは､倉間の ｢待てよっ！｣ という声が聞こえる｡


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待って…

待ってほしいのは､こっちだよ｡


全部つじつまが合うじゃない…！


ウソ…､倉間が……


私の初恋の…“典人”だっていうの！？


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貴女:｢はぁ…､はぁ…っ､はぁっ…｣


サッカー塔を出た私は､校門に向かって歩き出す｡


貴女:｢…どうして？

どうしてもっと早く気が付かなかったの？

全部つじつまが合うじゃない｡


･


お互いに､ずっと前から会いたい人がいて､唯一の繋がりは､大好きなサッカー｡


倉間は､相手の住所も携帯番号も知らない｡


もし､倉間の想い人が私だったら､それもつじつまが合う｡


･


昔は隣同士に住んでたけど､急な都合で母親が再婚する事になったから

私は､倉間に別れを告げる間もなく､引っ越していった｡

だから倉間は､住所も携帯番号も知らないんだ｡


貴女:｢でも… でも､本当に倉間が“典人”なの…？｣


同姓同名で､何もかもが合っている｡


だけど…､“典人”は倉間みたいに野蛮じゃないし､目も隠れてなかった｡


“典人”は､もっと優しかった｡


倉間とは､あまりにも性格が違いすぎる｡


貴女:｢やっぱり倉間は…｣


“典人”じゃないのかな？


そう思った瞬間､ちょうど校門に差し掛かった所で､私の前に１つの影が現れた｡

謎の男(倉間side)→←確信の様子(倉間side)

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