顔が良いって"損"【青葉城西】

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「なぁなぁ！Aちゃんはどれがイイ？！」



やたらと私に絡んでくる男の子、
またか、なんて心の中で毒づきながら男の子を見る



「……私は、何でもいいです」



何を聞かれているのかと思えば、文化祭の出し物について

どうせ私はクラスに貢献できないのだから、
意見なんて言う権利はない



「俺はな！Aちゃんにこれ来て欲しい！」



そう言って黒板を勢いよく叩いた彼

黒板を見れば、大きな字で



「……チャイナドレス？」



なんて、書かれていた

男子がザワザワと噂するのが聞こえる
……あー、キモチワルイ



『見てみたくね……？』
『今日から柳のこと神って呼ぶわ』
『やばい想像するだけで無理』



かと思えば、女子がヒソヒソと噂するのが耳に入った
……だから嫌だったんだ



『はァ？狙いすぎだろキッモ』
『え、てか何アイツほんとムカつく』
『アイツのチャイナドレスとか吐き気しかないわ』



そんな中、



「遠慮します」



そう言えば、男子の声を上回る女子の声が脳内に流れ込んできて

聞きたくなくて、気付かないフリをして、
スマホに目を落とす



「チッ……くだらねぇ」



ガタン、と大きな音を立てて、席を立った男子生徒が1人

そのまま勢いよく扉を閉めて教室から出たいった



「何あれ！チョーむかつくんですけど！」
「なんっだよ！アイツ話し合い参加してなかっただろ！」



途端に、私への非難は彼への非難に変わり、
……見下す人がいれば誰でもいいんだな

なんて、悟ったようなことを思ったりもして



「……京谷くん」



彼にその意図は無いにしろ、私を庇ってくれた形にはなったので、心の中でお礼を言う

京谷くんは、強いね

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