【ゴーストハント】人生2周目な私の行く先は【GH】

〜File1〜旧校舎怪談7 ページ8

言い募る麻衣の言葉をバッサリと切り、渋谷氏が一言

「彼は怪我をした。君は？」

……麻衣はピンピンしてるね

「カメラも壊れたんだが」

『あらら』

思わず声を上げるが渋谷氏はチラリとこちらを見るだけだ

「リンは―彼は、君がカメラに触っていたので止めようとしたんだ。その結果が、あれ」

「それは……どうも、何と申しますか…」

雰囲気が変わった、ひぇー怖いねーなんて、蚊帳の外の私が思っていると

「で、でもー。カメラが倒れたのは不可抗力というか。声をかけられてびっくりして、その弾みで倒れちゃったんで、べつに故意に破壊したわけでは」

麻衣、頑張るね……口じゃ勝てないと思うけどなぁ

「過失でも責任は生じると思うが？他人のものを勝手に触るのはいけないことだと、教えられなかったのかな？そもそも、旧校舎は生徒の立ち入りを禁止してあると聞いていたんだが」

「ええと、それは…」

「立ち入りを禁じられた場所に君は入った。そのうえ、そこにあった他人の所有物に手出しをして、結果、損害を与えたわけだ。僕には君に賠償を求める権利があると思うが？」

ああ、麻衣ったら縮こまって項垂れてる……

『あの、ちょっと疑問に思ったんですけど、弁償するとしたらお幾らになるんですか？』

ほんの少し興味があり、聞いてみると渋谷氏がさらっと言ってくれたのは、とんでもない額面だった
麻衣も顔が真っ青になっている

まあ、保険掛けてるだろうしその殆どは保険料が出るんだろうけどね

「冗談きついわよっ！なんでビデオカメラがそんなにするの！んなわけないでしょーがっ！」

「最新型の超高感度カメラ。オプションはドイツ製、レンズはスイス製で、本体ともども特注品。なんなら保証書を見せようか？」

「そ……そんなあ」

「それが嫌なら、助手の代理でもいいんだが」

ぱっと麻衣の顔に光がともる
見てて楽しいなこれ

「それって、あたしが渋谷さんの助手をすればいいんですか？」

「そう」

「やります、はい、喜んでやります、やらせてくださいっ！」

『良かったね〜麻衣、賠償金出さなくて済むね』

「うんっ！」

「…出来れば、設楽さんにも手伝って欲しいんですが」

『へ？』

まさか、渋谷さんから直々にお願いされるとは
まあ、最初からお手伝いするつもりで着いてきたんだけどね

『あ、いいですよ、麻衣のことも心配ですし』

私は2つ返事でお願いをOKした

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