【ゴーストハント】人生2周目な私の行く先は【GH】 (ページ9)

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～File1～旧校舎怪談8 ページ9

『あ、そうだ、ところで渋谷さんって、何をしてるんですか？』

一応聞かないとね、旧校舎でカメラ置いて何してんだーって話ですよ

「ゴーストハント」

「はあ？」

『へ～、直訳すると幽霊退治、旧校舎にカメラを置いてたのは幽霊がいるかどうか確認するためか～』

「そう、校長の依頼で旧校舎を調査に来た。渋谷サイキックリサーチの者だ」

「さいきっくりさーち、って？」

渋谷氏は思いっきり軽蔑も露わな視線を麻衣に寄越した

『これも直訳だけど、心霊現象の調査？』

「それだと直訳過ぎるな、心霊現象の調査事務所。その、僕は所長」

麻衣が唖然とする
まあ、そらそーだわな、私たちと同年代で、渋谷という一等地に事務所を構えてて、しかもそこの所長だなんて……

冗談にもほどがあるよねー、全部本当なんだけど、冗談は1ミリもないんだけど

「聞く気があるなら、簡単に事情を説明してもいいが？」

渋谷さんは、植え込みのそばにあるベンチに腰を降ろした

「聞かなきゃ、やってられません」

麻衣の声はいたく不機嫌だ。こんなことに巻き込まれれば誰だってそうなるだろうね

『私も聞きたいです』

「ここの校長が、旧校舎に問題があると調査を依頼に来たのが1週間前かな。体育館を建て直すにあたって旧校舎を取り壊したい、だが、昨年来、それができずに困っている、と」

ああ、そういえば、去年も工事を始めようとして中止になってたな

「旧校舎にはとかくの噂があって、工事に対して及び腰になる関係者がいる。過去に何度も取り壊そうとして、そのたびに事故が起こっては中止になっているとか。噂にすぎないと周囲を説得して、昨年工事を強行したが、やはり事故が起こって中止せざるを得なかった」

『グラウンドにトラックが突っ込んだ、って話ですか？』

「あ、聞いたことある…」

そう、と渋谷さんは頷く。あれは事実だったんだ

「それで旧校舎の調査をしてほしいって、依頼されたんだ？」

「そういうことだな」

「ふうん、それでわざわざ転校してきたわけだ。御苦労というか、そこまでせんでも、というか」

しかし渋谷さんは麻衣を軽蔑するように見る

「誰が調査のためにそこまでするんだ？」

「だって、昨日、転校生だって」

『麻衣、渋谷さんは明言してないよ、「そんなもの」としか、ね？』

「そうだ」

「えええ！！…………嘘つき」

麻衣が小声で言う
まぁまぁ、落ち着きなさい麻衣ちゃん