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〜File1〜旧校舎怪談6 ページ7

『あの、今朝の話ですよね?そしたら私も着いていっていいですか?』

ダメとは言わせないよ、かわいい麻衣ちゃんが私に助けを求めているからね

そう思いながら渋谷氏の返答を待つ

「…分かりました、どうぞ」

麻衣の顔に光がともる、良かったね麻衣、私もいるよ!
恵子たちの恨めしげな視線を受けながら、私たちは教室を出た


「彼女は何者だ?」

渋谷氏は、先に立ってすたすた歩きながら聞く

「存じません。あたしも今日、初めて喋ったもんで」

『私も、でもあんまり友達いないみたいですよ、いつもあんな調子だし』

「本当に霊能者かな」

渋谷氏は校舎を出ながら呟くように言った
違いますよ〜似非ですよ〜とは言えず、黙っていると渋谷氏は躊躇もなく、足をグラウンドのほうへ向けた

「…あのう、用ってのは何なんでしょう。どこに行くんです?」

『向き的に旧校舎でしょ』

「設楽さんの言うとおりだ」

「できたら御遠慮申し上げたいのですがー」

旧校舎には嫌な思いしかない麻衣にとっちゃ、そうなるよね、でもね麻衣、現実はそう甘くないんだよ…

「そだ、今朝の人、大丈夫でしたか?」

麻衣はハッとして聞く、それが本題なんだよ

「それだが、左足を捻挫した。かなり酷い状態で、しばらく歩けない」

「そ、それはまことに御愁傷様というか…ええと、申し訳ありません」

言いながら、なんだってあたしは謝っているんだろう、という顔をしている麻衣

『麻衣、ちゃんと謝りなさい』

「うっ……大変申し訳ございませんでした」

深々と頭を下げる麻衣、私も下げておこう

「謝罪はもういい」

「はい…あのう、あの人は、渋谷先輩の知り合いですか?」

「そう見えなかったか?」

「いや、まあ。それはそうかなーと」

『あの、つかぬことを伺いますが、どういったお知り合いですか?』

麻衣に助け船を出すため私が聞くと、渋谷氏はごくあっさりと答えた

「助手」

その言い方だと麻衣は誤解するんじゃ

「なかなか厳しい性格の御主人のようで…でも、言っておきますけど、御主人様の怪我はあたしのせいじゃありませんからね。御主人があたしを驚かすから……」

やっぱりね

『麻衣、逆だよきっと』

「へ?」

『だから、渋谷さんが御主人で怪我しちゃった人が助手』

「そうだ、そこで助手が動けないので困っている。君に責任があると思うが―谷山さん?」

「ちょっと、冗談じゃないわよ!言っとくけど、あたしだって被害者なんだからね。死ぬほど驚いて、遅刻して」

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梨花 - 更新大変でしょうが、いつまでも応援しています! (2019年11月28日 18時) (レス) id: f3674189e1 (このIDを非表示/違反報告)
りーさん。(プロフ) - 面白いです!!続き楽しみです♪ (2019年2月2日 1時) (レス) id: ea3558cf25 (このIDを非表示/違反報告)
白桜姫 - 続き楽しみにしてます^ ^ (2018年12月28日 10時) (レス) id: a386c69c5e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アサヒ x他1人 | 作成日時:2018年8月11日 15時

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