【ゴーストハント】人生2周目な私の行く先は【GH】 (ページ6)

今日:1 hit、昨日:3 hit、合計:36,402 hit

～File1～旧校舎怪談5 ページ6

恵子たちが押し黙ってしまったので、私が代表して答える

『今日、怪談するの、その話だよ』

べつに変な相談をしていたわけでも、誰かの悪口を言ってたわけじゃない
麻衣もそれに乗っかって

「そーそー、べつに変な話じゃないよ～」

とケラケラ笑っている
けど、なんだろこの雰囲気、黒田女史めっちゃ睨んでくる

ちょうどそのとき、渋谷氏が教室の戸口から顔を出した

「谷山さん、いるかな？」

うひゃあ、という間の抜けた歓声は恵子のもの、うげっ、という蛙の潰れたような声は麻衣、黒田女史はさらにピリピリした様子で振り返る

渋谷氏に眼を留め、胡乱げな眼差しだ

「何年生？何の御用ですか」

まるで生活指導の先生のような口調だ
いやぁすごいね、渋谷氏にそんな態度取るなんて…

渋谷氏は怯む様子もなく、目線で私たちのほうを示した

「彼女たちと約束があって」

「約束？怪談の？」

「そうだけど？」

私はそんな約束1ミリもしてません

渋谷氏の返答を聞くなり、黒田女史は私たちのほうを振り返り、ヒステリックな声を張り上げた

「そんなことは、やめなさいって言ってるでしょ！」

…あぁ、やっぱりこうなるのね～

「やめなさいって…なんで？」

麻衣は分からないという顔で黒田女史に問う

「怪談は危険なの。知らないの？」

「危険って、なんで？べつに昨日だって何もなかったよ？」

麻衣が言うと、恵子たちが妙な声を上げる
黒田女史は眦を吊り上げた

「昨日もやったの？道理で今朝学校に来たら頭が痛くなったはずだわ」

「……は？」

麻衣～聞くだけ無駄だよ～止めときな～
と思いながら、私は首を突っ込みたくないので聞いてるフリをする

思考を飛ばし、うーーーーん、この様子だと確か、旧校舎は地盤沈下でポルターガイストは黒田さんのせいで……えぇと、誰かが怪我をするんだけど…お、思い出せない………
やっぱり、原作は朧気にしか思い出せない、まあいいか…

とかなんとか思いをはせていたらいつの間にか話が終わっていて、今日の怪談は無しに、ということに結論付いていた

わはー、黒田さん満足げね、良かったね

それで解散、かと思いきや

「あぁ、谷山さん、ちょっと」

渋谷氏が麻衣を呼び止める
恵子たちが驚いたように、渋谷氏と麻衣を見比べた

「何でしょう」

及び腰な麻衣かわいい～

「少し時間をくれないかな？」

口許だけの笑い。言葉こそ疑問形だが、声音も眼つきも命令する調子だ

「A～」

助けを求める麻衣、一肌脱ぎますか