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延長線上 2 ページ2

「け、結婚?」

素っ頓狂な声が出て、周りにいた残業している他の社員が一斉にこちらを向く。「おま、声デカいわ」と人差し指を口元にあてるコネシマに、一旦我に戻った。そして、あの飲み会の時の記憶を必死になって探る。

「あ、ああーーーーー............」
「おお、思い出したか?」

思い出した、はっきりと。確かに、そんなことを言った。しばらく彼女がいなくて寂しさの溜まったコネシマ、数年付き合っていた彼氏に別れを告げられ虚しさの溜まった私。無駄に意気投合して、節目の歳、周りが結婚するようになる歳になるまでお互い相手がいなかったら、契約結婚でもするかという旨の約束をした。飲みの席であったため、すっかり忘れていたし、思い出しても気にも留めていなかった。

「てかそれって、あんたまさか....」
「いや違うねん!俺が言ってんのはこの歳まで相手いないのいよいよアカンなって話で!」

その言葉がぐさりと刺さる。全くもってコネシマの言う通りであった。周りはもう二十代で結婚する者も少なくない。しかしこの二十代さえ終わってしまったら、さすがにどうしようか。この先新たな出会いが訪れる気もしない。

「でな、やっぱり俺らって仕事を言い訳にしてるとこあんねんな?」
「そうだね、忙しいのは間違いないけど」
「だから、この一年で追い打ちをかけたいと思うんや」

「追い打ち?」そう聞けばコネシマは深く頷いた。彼女が欲しいと嘆く割にはこの男、どうしてか社内の女の子に告白されても揺るがない。それを後から悔いる姿を私は幾度となく見てきた。各言う私も、言い寄られることが無かったわけでもない。しかしそれを断ってきたのは、彼氏欲しいと言う口とは反対に面倒であったからだった。

「俺もお前も、この一年、恋人作りに奮闘する、それでな」
「それで?」
「もし達成出来なかったら、お互いで妥協しようや」

妥協。コネシマで。この一年で恋人ができなかったら。その突拍子もない考えに、ぽかんと口を開ける。そうして出てきた言葉は「それ嫌だあ....」という本音であった。

「せやろ?!俺も嫌や!だが!だからこそ効果があるねん!」
「まあ、言われてみればそうかも。しかしお前失礼なこと言うよね」
「いやAも大概なんやけど?」

不服そうなコネシマ。私はそんなコネシマに向かって口角を上げて笑う。「でもその案、乗った」そう言えば「そうこなくちゃな」とコネシマも不敵に笑った。

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まつ(プロフ) - 完結おめでとうございます!香さんの書く文章が本当に大好きです。次回作が最後になってしまうのは悲しいですが楽しみに待っています!お疲れ様でした!! (2018年8月26日 11時) (レス) id: cd163d6252 (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - 香さんのコネシマめっちゃ好きです。更新とても嬉しかったです!この先の展開も気になります!笑 (2017年12月26日 0時) (レス) id: 3e7c414859 (このIDを非表示/違反報告)
みいろ - 夢主ちゃんとコネシマの絡みが好きすぎて禿げそうです…更新頑張ってください! (2017年4月27日 23時) (レス) id: 538187bfc9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2017年4月20日 23時

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