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煩悩八 ページ9
もう遅いのだが、なんでこの一週間気づかなかったんだろうと思う。いくら吉原で見かけようが、隊服だったのだ。少し考えれば女好きの幕臣の護衛でもしているんだと分かった筈なのに。
今までの土方の、俺だけに見せていると思っていた顔が他の奴も知っていたのかと思うと悔しくて、悲しくてそれどころでは無かった自分を殴りたい。危うく愛しい愛しい天使を手放すハメになりそうじゃないか。
それに、自惚れているわけでは無いが、俺という相手がいる中で元々禁欲的な土方が女を買うわけないじゃないのか。
いくら今日を悔もうが、いくら自分を罵ろうが本当にもう遅い。これからを考えるしかないのだ。
手立てはある。明日素直に謝りにいく事だ。それしかない。まあ性格上スラスラスムーズに言うことは難しいかもしれ無いが。
あの子は放っておけば置くほど自己嫌悪のジェットコースターのスピードをあげる。そして終いには地に落ちて大破するか、スピードの上げすぎで脱線するか。考えただけで恐ろしい。
明日言おう。
こういうものは早ければ早いほどいい。
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作者名:シチ副長 | 作成日時:2018年1月4日 19時