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煩悩十二 ページ13
「もう、土方くん泣きながら震え始めるから銀さんめちゃくちゃ焦ったんだからね」
「いや泣いてねーし」
「泣いてたから!肩ブルブル震わせて泣いてたから!そこでつまらない意地を張るのはやめなさい!あれ結構可愛かったから!」
あのまま今日は万事屋に泊まる事になった。明日はたまたま非番だったので、既にこの関係を知っている山崎に連絡をし、今は大の大人が二人、おざなりに着流しを羽織って、炬燵の一辺に入って寝転がっている。狭苦しく、暖かい。因みに情事の後である。
「……なんでお前、こっち見ねーんだよ」
このまま寝てしまおうかと微睡みに包まれながら物思いに耽っていると、拗ねたような恋人の声が聞こえた。
「……いいじゃねーか別に。ただ阿呆面を瞼の裏に残して寝るのは嫌なだけだ」
「うわひでぇ」
あんな事があった後で恥ずかしいのだとは言えない。それにコイツも薄々気づいて言っているのだ。何故わざわざ言ってやら無ければならない。こうなったら絶対振り向いてなんかやってやるかと目を閉じた矢先、不意に、重い音が聞こえてきた。
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作者名:シチ副長 | 作成日時:2018年1月4日 19時