黒染め ページ2
「ありがとうございましたー」
深夜のコンビニは客が少ない。ここは特に少なく、今にも潰れそう。
昼しか儲け時がなく、深夜はぽつりぽつりとしか客は来ない。
来る客は若い男女や手が震えた老人とか。そんな人達が来たり来なかったりする。
私はモップで床を拭く。シフトが一緒になっているもう1人の男はやる気がなく、ただレジで突っ立ったまま。
私は何も言わずに喋らず黙々と自分の仕事をこなした。
私が掃除や棚の整理する代わりにもう1人の男が接客をするという感じに仕事をする。
これは暗黙のルールで、別にお互いに決めたものではない。
落ち着いたのでレジに入り、隠し置いているエナジードリンクを煽った。
私のその姿を見て男は顔を顰めた。
「あのさーAチャンってさ、シフト入りすぎじゃない?大学生だよね?」
「そうですけど……別にバイト以外やりたい事ないんで」
男は宮本という。大学7年生という感じの大学生。留年のプロと自称している。
「そういう宮本さんだって充実した大学生なのに、こんな深夜のコンビニでバイトしなくてもいいじゃないですか」
「いや俺はねファッションに命かけてんの。常にお金足りないもん。Aチャンこそ、そのプリン頭どうにかしたら?」
「……いいんですよ。そのうち黒染めしますから」
「ダメダメダメー黒染めはダメ!次のカラー出来ないじゃん」
いやもう染めないつもりなんでと言いかけると客が来て、反射的にいらっしゃいませと言う。
外を見ると、もう明るくなってきていた。
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海老天ぷら - おと姫と愉快なサカナたちさん» ありがとうございます!嬉しいですっ!不定期更新ですが、がんばります! (2021年12月10日 19時) (レス) @page35 id: 8ac8a7e5a1 (このIDを非表示/違反報告)
おと姫と愉快なサカナたち(プロフ) - すごく引き込まれます…更新頑張ってください!! (2021年11月9日 7時) (レス) @page34 id: e21618e8ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:海老天ぷら | 作成日時:2021年1月28日 10時