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解決する ページ12

俺のとこにはスペードのAとジョーカー。

2人とも、同時に勝つためには…?

だめだ、考え事すると頭痛くなる…。

テーブルの縁に手をつき、しゃがみこむ。

だから迷路は苦手なんだよ…。

その時。

親指に違和感を覚えた。

テーブルの裏だ。

なんだ、これ…?

…!

取ってよく見ると、もう1枚ジョーカーがあった。

そうだ…1つのトランプのセットにジョーカーは2枚…!!

俺側の人形にそれを持たせてみた。

「エリス、これ何?」

Aの声だ。

向こう側にも見えるようだ。

相変わらずすごい仕組みだぜ。

「テーブルの裏に、もう1枚ジョーカーがあった。これ、使えないか?」

返答を待つ。

「…じゃあ、まず私がそのジョーカーを引くわね。」

向かい側の人形が俺のカード…2枚目のジョーカーを取る。

「これで持ってるカードの内訳は同じはず。あとは…エリス、ペンはあるかしら?」

ペン…?

かばんをあさると、ボールペンが出てきた。

「あるけど、それがどうした?」

「いいわ。それを、あなたが持っているAのカードに差して。無理なら、それで裏に印を書いて。」

言われた通りに、Aの裏に丸を書いた。

「それで大丈夫。これで私からあなたの手札が分かるわ。じゃあそのペンを人形に持たせてみて。」

ここも言われた通りに。

「そう、それでいいわ。借りるわね。」

向こう側の人形がペンを取り、やがて俺から見て右側の人形に丸が書かれた。

「私も、Aに丸を書いたわ。」

「私はあなたのAを、あなたは私のジョーカーを取って。合図で…同時に。」

同時にぃ?

「レイダーテは、順番通りに、なんて言ってなかったわ。きっと大丈夫。」

「…信じるぜ?」

「信じて。」

「…いいぜ。合図は頼んだ。」

「えぇ。じゃあいくわよ…3、2、1…はいっ…!」

丸の書かれていない方を取った。

裏返すと、ジョーカー。

手元からはAがなくなっていた。

「レイダーテ、これでいいのかしら?」

Aが言うと、レイダーテはすぐに答えた。

「言葉以外でジョーカーを見つけるとは…自滅行為に入れてあげないわ。あなたたちの勝ちよ。それに…エリス、あなたよく見つけたわね!テーブルの裏のジョーカー。」

「俺が考え事苦手なのが役に立ったぜ。Aがこっちに飛ばされてたら絶対無理だったな。」

「な、なにそれ…!」

まじか、まだあっちに声聞こえてんのか。

「でもまだ迷路は続くわよ。引き続き検討を祈るわ。」

それで声は消えたし、Aとも話せなくなったみたいだ。

…行くか。

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作者名:円香 | 作成日時:2018年8月7日 16時

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