原神〜2人の姫と1人の王子〜 I

２話　自由の都〜西風騎士団〜 ページ8

〜【モンド内】〜




ア「あらためて紹介させてもらうわ。風と蒲公英(たんぽぽ)の牧歌の城、自由の都———西風騎士団に守られてやって来た
　 旅人さんたち、モンドへようこそ！」


『ありがとう』


パ「やっと野宿しなくて済むな」


『ねえ、アンバー』


ア「何？」


『城内の人たちは何を恐れてるの？あまり元気がないね』


ア「最近、みんな風魔竜の件で頭を悩ませてるからね。でも、ジンさんがいれば、きっと全てうまく行く！」


パ「ジンさん？」


ア「西風騎士団の代理団長———ジン、モンドの守護者だよ。ジンさんが一緒なら、風魔龍レベルの災害でも
　 きっと打ち勝てるはず」


蛍「(すごい人みたい…)」


ア「そうだ。一緒に騎士団本部へ行く前に、蛍とAに渡したいものがあるの。さっき一緒にヒルチャールの巣を
　 片付けてくれたお礼だよ」


パ「おいおい！オイラにはないのかよ？」


ア「えっと…パイモンちゃんには使えないものだからね。でも、今夜はモンド名物のニンジンとお肉のハニーソテー
　 をごちそうしてあげる」


パ「ニンジンとお肉のハニーソテー！」


ア「とにかく、私について来て、今から…高いところに行きましょう」


『高いところ？』


ア「普段、この辺は賑わってるんだけど、最近は風魔龍のせいで、商人や旅人がめっきり減ってね。でも、
　 曲がり角にある酒場はあまり影響を受けていないみたい…むしろ、いつもより繁盛してる？」







ア「それで、お礼っていうのはね———じゃーん、風の翼よ。偵察騎士はこれで空を駆け抜けるの。モンドに住む
　 人達、みんなこれを愛用してるんだ。ここに連れて来たのは、あなたにこれの良さを体験してもらいたい
　 から！」


パ「ずいぶんと熱く語るんだな」


ア「風はモンドの魂だからね。さあ、早速風の翼の性能を試そう」


『できるかな…？』


蛍「大丈夫だよ。一緒に頑張ろ」


ア「操作は簡単だけど、指示はちゃんと聞いてね」


『分かった』




試しに飛んでみる




『楽しい！』


ア「でしょ？……あれ」


『空が…』




大きな雲が空を覆い、風が吹いてきた




ア「うそ……」




大きな翼音を立ててさっき森で会った巨龍が飛んでくる




風「ガォォォ！」




龍が鳴くと、七天神像の近くにいくつもの竜巻が現れた




「わああ！」

「逃げろ！」





蛍「わっ！」


『きゃあ！』




私たちは竜巻に巻き込まれ、空高くに飛ばされる

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