原神〜2人の姫と1人の王子〜 I

section 4 ページ22

パ「この痕跡、怪鳥か風スライムか…」


ア「風スライムは飛べるから、これを踏んで飛ぼうとした人がいない限り怪鳥のだろうね」


パ「…風スライムで、そんなことをする奴がいるのか！？」


ア「とにかく、痕跡がはっきりと残ってるから記録しておこう」




また別に場所でも痕跡と思われる物を見つけた




ア「この…ボロボロの布切れ、風元素の痕跡がある。この模様と編み方からして、風の翼が破けたものかも」


パ「そんなんで風の翼だって分かるのか？さすが偵察騎士」


ア「これが怪鳥のなら、ヤツの風の翼はもう壊れてるみたいだね」


『あ……元素の痕跡はこの先に続いてるね』


パ「怪鳥はこの先に逃げたのか？」


ア「ここで考えてても始まらないし、蛍、A、痕跡を追ってみよう」


『？』


パ「なんだか騒がしいな…」


ア「戦いの音だ。まさか怪鳥！？早く行こう」




タッタッタッタ




『あ、あそこ！誰かが怪物に襲われてる！』


蛍「早く助けに行こう！」




キンッ、キンッ、カンッ！




「イー…」


『ふぅ…』


ﾌｧ「よかった！西風騎士団の人がいれば、ヒルチャールも手を出せないはずだ…」


ア「何があったの？」


ﾌｧ「はぁ…ヒルチャールに襲われてね。俺は足が速いからなんとかなったけど」


ア「ヒルチャールに襲われた？でも、ヒルチャールの集落は騎士団がほとんど潰したのに」


ﾌｧ「小さな集落なんだ。町からそう離れてないから、俺も普段はそこを避けるようにしている。
　 でも、そのヒルチャールの集落に、空から人が降ってきたんだよ！」


パ「うーん…誰かさんたちがよくすることだな」


ﾌｧ「それでヒルチャールが暴れ出して、その人を追ってヤツらが出てきたんだ！俺は逃げれたけれど、果物を運ぶ
　 車は全部壊されちまった。明日からどうすればいいんだ———」


ア「その人ってどんな感じ？」


ﾌｧ「何かを抱えてた。ふらふらと飛んでいて…ああ、その抱えてた物のせいで落ちたんだな。まったく、飛行免許を
　 取っていないのか？重い物を持って飛ぶのは禁止だって知らないんだよ！免許を取り消してやりたいね！」


ア「重い荷物を持って…文化財を抱えて逃げた怪鳥かもしれない。その人がどこに逃げたか分かる？」


ﾌｧ「俺も逃げるので精一杯だったからな…あっちの方に逃げた気がするけど」


ア「なんとか手がかりを掴めたね。蛍、A、さっそく追いかけよう」

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