次世代天才少女～揺らぐ信念、受け継ぐ思い～ (ページ7)

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5話ページ7

神童｢俺だって.......何がキャプテンだ。
チームメイトすら守れない.......こんなもの｣

力強くキャプテンマークを握りしめる神童。

神童｢くそー！！！！｣

そんな悲痛な神童の雄叫びがグラウンドに響き渡った。

その瞬間、その場にいる全員が異変に気づく。

A｢ｯ.....ま、まさか｣

霧野｢神童が化身を！？｣

背後には剣城と同じようにはっきりと化身が現れている。

しかしそんな神童は自我を失い興奮状態に陥っていた。

神童｢俺はキャプテンなんだ！！
守らなくちゃいけないんだ！！｣

A｢し、神童！！落ち着いて！！｣

霧野とAは確かに神童の目の前にいるはずなのに、その目にはその先に立つ剣城の姿しか映ってない。

剣城｢面白い.....潰してやるよ！！｣

剣城はそんな神童の勢いに乗り、間にいる霧野とAを無視して、化身同士のぶつかり合いが始まろうとする。

霧野｢おい！？A捕まれ！！｣

間一髪のところで霧野に支えられ、その衝突に巻き込まれずにすんだ。

激しい化身同士の衝突にその場の全員が動けない。

黒木｢そこまでです！！｣

突然相手ベンチで指揮をとっていた黒木と呼ばれる男がグラウンドに入ってきた

剣城｢なぜ止めるのです。｣

黒木｢撤収しますよ｣

その一言で相手の戦闘態勢は解かれる。

神童｢逃げるのか！！｣

黒木｢逃げる？見逃すのですよ。
しかし結果としては色んな収穫がありましたから....あなたの存在があったからと言っても過言では無いですね｣

ここで撤収してくれるのはこちらとしても好都合。
事実こちらの勝ち目は薄く、化身を出現させた神童も疲労しきっている。

一瞬で立ち去る相手黒の騎士団。
その場の緊張感が無くなった瞬間、神童は倒れ込み意識を失ってしまった。

天馬｢キャプテン！！！｣

神童は久遠監督に抱えられ医務室へと運ばれる。

霧野｢お前も行くぞ｣

霧野はAを支えて立たせようとした。

A｢え、何で？
座ってたら動けるようになったよ。｣

Aは何事も無かったかのように立ってズボンをはたいている。

音無｢......お姉さんにそっくりね｣

霧野｢お姉さん？｣

A｢よくわかんないですけど、大丈夫よ！！｣

霧野は再度ついてくるように言うがAは断り、神童について行ってあげるように指示する。

静かになるグラウンド。

神童と霧野以外はこの後の新入生入学式に向けて、制服へ着替えるために撤収していった。