No.010 サブの想い ページ10
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Aと一緒に、とゲンスルーには言われたものの、それはつまりAのことを頼むぞ、死んでも守れよ、ということであると、バラもたぶんわかっているのだろう
ゲンスルーいわく、グリードアイランドのプレイヤーに女性は少なく、しかもAのように若くてかわいくてか弱そうな女の子は珍しいらしい
実際Aは弱くはないが、見た目は守ってあげたくなるほど可憐な女の子で、片方の足は義足だ
プレイヤーキラーに狙われることも、違う目的で声をかけられることも、ゲンスルーでなくとも容易に想像できる
それらの全ての危険からAを守るために、俺とバラが一緒にいるのだ
とりあえず難なく3人ともバッテラの審査に合格して、第一関門は突破した
次に、ゲンスルーには言われていたがゲーム内に入る順番をジャンケンで決める際、バラがなんとか一番手をとり、Aを俺たちの間に入れることに成功する
ゲームに入る前から相当な疲労であるが、Aがひとりになる瞬間が一瞬でもあってはならないと思っているのはなにもゲンスルーだけではないのだ
もちろんゲンスルーやバラのことも俺にとっては大切な仲間であることには変わりないが、Aはやっぱり特別で桁違いで、妹なんていたことはないが妹のようで、宝物より何よりも大切で、3人の命をかけてでも守り抜かなければならないと決めている存在なのである
バラがゲーム内に入り、身体ごと消えたのに驚いたAが俺にしがみついてきて、珍しく緊張しているのが伝わった
Aはグリードアイランドのためにゲンスルーの服を引っ張り出してきたようで、メンズのフード付きジャケットを着ており、だいぶ大きめで重そうなフードを深くかぶっている
フードの隙間から手を入れて頭を撫でてやったら少しは緊張がほぐれたらしく、俺に向かってはにかんだ
「大丈夫か？」
「大丈夫。ありがと」
「なら行ってこい。お前の番だ」
「うん」
「バラが待っててくれてるだろ。心配すんな」
「してない。じゃあね」
「俺だってすぐだ。待ってろよ」
「バラと先いっちゃおっかな？」
「それはやめろよ」
「ふふ。じゃあね、サブ」
「ああ」
俺に向かって微笑んで手を振って、ゲーム内に消えていくAを見届けた
たぶんちゃんとバラが待っててやってるだろうし、まさか本当に俺を置いて行っちまうなんてこともないだろう
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ライ(プロフ) - カナさん» こちらも読んでくださってたんですね！ありがとうございます。楽しんでいただけたみたいでとても嬉しいです！ (2020年9月28日 10時) (
レス) id: 182c279fa9 (このIDを非表示/違反報告)
カナ(プロフ) - 最期まで読みましたがとっっっても面白かったです！！！！ゲンスルーの作品中々ないので読めて幸せでした。もし続編があったら楽しみにしてます！改めて完結お疲れ様です！ (2020年9月28日 0時) (レス) id: 653b7cacce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ライ | 作成日時：2020年9月25日 10時
